人混みの中にいると不安になる、多忙な日が続くと一人静かな場所に逃げてしまいたくなる、暴力的な映画やテレビ番組はまるで自分のことのように感じてしまって見ていられない。
普段何気なく生活している人のようでも、実はその中には、HSP(Highly Sensitive Person)という繊細で敏感な感覚を持った人が、5人に1人の割合で存在しているといいます。
HSPの人たちは自分がそうであるのを知らない場合がほとんどで、毎日生きづらさを感じながら生活しています。
また多くは自分や周りとどのように付き合えばいいのかわからずに悩んでいますが、自分をきちんと認識できるようになれば克服することも可能となります。
今回はHSPとは具体的にどのようなものなのか、HSPのチェックテストで自己診断していただいて、さらにHSPである人が毎日の生活を生きやすくしていく方法についてご紹介していきたいと思います。
あなたがもし不安を常に感じていて、自分を知りたい・変えたいと思っているのなら、少々お付き合いくださいませ。もしかするとお役に立つかもしれません。
HSPとは?
HSPとは、音や香り、光などの外界から受ける刺激に、普通の人より強く反応してしまう人のことをいいます。もともと生き物の生存本能の中にある、危険を察知する感覚が他の人よりも強いのです。
人口の20%がHSPであるといわれています。
HSPの人たちは物心ついたときから、なぜ自分がこんなに弱いのかと自分を責めています。
誰からも「気にしすぎはよくないよ」「考えすぎだよ」と言われてとりあってもらえませんでした。
特に人混みが苦手でつらく夜寝られなくなるという症状がある場合は、その可能性が高いと考えられます。
HSPの自己診断チェックリスト23
HSPの簡単な自己診断チェックリストがあります。
このチェックリストでHSPに該当するかどうか確認してみましょう。
ただし、これはあくまでも簡易的なものです。
はっきりとした診断を出したいのなら、専門の医療機関を受けることをおすすめいたします。
1.自分を取り巻く環境の微妙な変化によく気づくほうだ
2.他人の気分に左右される
3.痛みにとても敏感である
4.忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋など、プライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
5.カフェインに敏感に反応する
6.明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンなどの音に圧倒されやすい
7.豊かな想像力を持ち、空想に耽(ふけ)りやすい
8.騒音に悩まされやすい
9.美術や音楽に深く心動かされる
10.とても良心的である
11.すぐにびっくりする(仰天する)
12.短時間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
13.人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
14.一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
15.ミスをしたり、物を忘れないようにいつも気をつける
16.暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
17.あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり、神経が高ぶる
18.空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
19.生活に変化があると混乱する
20.デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
21.動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
22.仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できない
23.子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた。
(出典:「ささいなことにも動揺してしまうあなたへ」)
(著者:エイレン・N・アーロン)
以上の質問のうち12個以上に「はい」と答えた場合はおそらくHSPに該当すると思われます。
たとえ「はい」が1つか2であっても感受性の度合が極端に強いのならHSPに該当するかもしれません。
病院でHSPと診断を受けても治療法がない
通常、病院でHSPの相談をしたとしても徒労に終わることが少なくありません。
病院では生まれつきの性質なんだから病気にあたりませんよと言われてしまって、治療の対象にしてもらえない場合もあるかもしれません。
仮に治療をするといってもただ薬を処方されるだけで、処方された薬を飲んで逆に症状が悪化してしまうことだってあるのです。
ではHSPの人が生きやすくなるためどのようにすればよいのでしょうか。
HSPの人が生きやすくなる方法
1.考え方を変える
「生きづらい」
「もう自分はこの時代に生きていけないのではないか」
おそらくこのように思っていたかもしれませんね。でも、そんな考え方を捨てるか、変えてしまうことにしましょう。
HSPは才能です。
繊細で傷つきやすいからこそ人の痛みにも敏感で、痛みを分かち合える才能なのです。
これまで、自分や周りとどう付き合っていけばいいかわからないと悩んでいたことでしょう。
でも自分がHSPだと自覚して考え方を変えていけば、きっと新しい世界が見えてきます。
自分の本来いるべき居場所や能力を発揮できる場所が広がっていきます。
生きづらさを克服するために自分をもっと知りましょう。
自分に合う生活スタイルを考えてみるのもいいかもしれません。
自分で人生を選択できる楽しみを見つけましょう。そうすれば、毎日が楽しくなってきますよ。
これまで人間関係において、自分に無理をして人とのお付き合いをしたり、苦手な場所へも出かけてみたりしたでしょうね。
でも、人との距離を少しずつとってみたり、人とのお付き合いも減らしていくようにしてみたりして、あなたの心の痛みを減らしてみるようにしましょう。
2.HSPの人の適性職業は何か
HSPの人は大勢の中で他人と競争しながら働くような仕事は向いていないのです。
HSPの人は他人に優しく、さらにとても繊細なのです。
そこで次のような仕事がおすすめです。
- 社員数が少なく入れ替わりの少ない小規模の会社で腰をすえて働く
- 少人数で行う自営業、フリーランス、クラウドソーシング
- 芸術家、作家のような仕事
- お客様のニーズを察知する接客業
- 周囲の空気を読める能力を活かして、それを武器として使える仕事
- その場の空気を読んで迅速な対応力が必要とされる介護・福祉業界
ただし適職だからといって、周囲の期待に応えようとして忙しさのあまり心も体も疲れ切ってしまわないようにしてくださいね。
あまり無理することなく、程よく休むことも大切ですよ。
3.HSPの人が心にとどめておいてほしいこと
HSPのあなたは優しい人なのです。
もう自分を責め続けて反省する必要なんてありません。
もし嫌なことがあったときは「これはもう終わったこと。これから先のことを考えよう」と心の中で言ってみるようにしましょう。
こうやって繰り返していくことで、少しずつ気持ちが楽になってくることでしょう。
さらに言えば、HSPのあなたが見捨てられてしまうことなんてありませんよ。
世の中にはあなたのような人を理解してくれる人が少なからずいるのです。
だって世の中の5人に1人はHSPと言われているんです。心配しないでください。
まとめ・HSPの人は自分の生きづらさの原因を知ると変わっていける
いかがでしたでしょうか。
今回はHSPの説明とHSPの自己診断チェックテスト、HSPの人が生きやすくなる方法についてご紹介してきました。
HSPの人は、音や香り、光などの外界から受ける刺激に、普通の人より強く反応してしまうのが特徴なのです。
HSPの人は危険を察知する感覚が他の人よりも強いからなんですね。
しかし、このことをネガティブにとらえないでください。
繰り返しますが、HSPは才能なんです。
繊細で傷つきやすいからこそ人の痛みにも敏感になれるし、人の痛みを分かち合える才能を持っているのです。
その才能を活かすことで自分なりの生活スタイルを設計できるし、才能を活かして働くことだってできます。
この記事が自分を知りたい・変えたいと思っているあなたの、お役に立ちましたら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。