書店に行って興味のある本を買ってきたものの、本を読むスピードが遅くて困ることがあるんですよね。
魅力的な本をもっとたくさん読みたいのに、読むスピードが遅いと本を読み続けられなくて挫折してしまうんです。
私は本が大好きで、興味のある本を次々と購入するのですが、本を読むスピードが遅くて読み切れない本がたくさん積み上がってしまいます。
本をたくさん読むにはどうすればいいだろうと書店で探してみたら、速読法の存在を知り、さらにフォトリーディングという読書法を探し出しました。
さらにこのフォトリーディングには直接講師から受講できる講座があり、そこに参加して自分で実践してみたのですが、私には合わない読書法だったようです。
そこでなぜしっくりこなかったのかを私なりに考えてみたところ原因が分かりました。
そこで今回は、フォトリーディング講座を受講しても私の読書法が変わらなかったワケをご紹介していきたいと思います。
フォトリーディングとの出会い
私が速読法を探していた時、書店でとても目立つように置かれていて印象的な本がありました。
常識を覆す学習法「フォトリーディング」
あなたもいままでの10倍速く本が読める
作者: ポール R.シーリィ,監修:神田昌典
さらにこの本には経済評論家の勝間和代氏が推薦文を書いていましたので、これは自分の役に立ちそうだなと期待を込めて購入しました。
本を読んでみると、これまでの読書法とは明らかに違います。とても自分ひとりの力では身につけられないと思っていたら、本にはフォトリーディングを直接受講できる講座についての案内が載っていました。
インターネットで詳しく調べると、2日間かけてフォトリーディングを学ぶ講座が東京で開催されていることを知りました。さっそくこの集中講座を申し込んで受講することにしました。
フォトリーディング講座に参加してみた
フォトリーディングとは次の流れで本を読んでいきます。
- 準備
- 予習
- フォトリーディング
- 復習
- 活性化
ここでは私が学んできたフォトリーディング講座の概略を説明しますが、この部分についてはさっと読み飛ばしていただいても構いません。
フォトリーディング講座1.準備
まず本を読むために事前に行う作業のことです。本を読む前の頭の準備体操を行います。
- この本に期待すること
- この本から得られる情報はどれぐらい重要か
- どれぐらい詳細に理解する必要があるか
- どれぐらい時間をかけるか
フォトリーディング講座2.予習
つぎに本を読む予習です。学校の授業前に前もって勉強するのに似ています。
- 本文をざっと見渡す
- 目的にあった価値があるのかを検討する
- 読み進めるかどうかを検討する
フォトリーディング講座4.フォトリーディング
ここから次の順番でフォトリーディングを始めます。
開始のアファメーション
- 読書の目的を明確にするため、自分がフォトリーディングで何を得るのかをアファメーション
フォトリーディング開始
- フォトフォーカスをする。文字ひとつひとつを目で追わずに、本のページ全体を見る。
- 目の焦点を一箇所に集中させない。
- ページは1枚を1〜2秒ぐらいのスピードでめくる。
- リズムを崩さないような言葉をつぶやきながらページをめくる。
終了のアファメーション
- 最後までフォトリーディングを行なったら「無事に情報が脳の中に送られた」というアファメーション
フォトリーディング講座4.復習
フォトリーディングを終えたならすぐに復習に入ります。
文書の調査
題名や目次、以下のような項目を調査して本の全体像を把握します。
- 表紙や裏表紙に書かれている言葉
- 奥付
- 索引
- 本の最初と最後のページ
- 太字や斜体になっている部分、見出し、小見出し
- 囲み記事や数字、図表、グラフ等
- 紹介記事、要約、他人の感想や批評等
トリガーワードの抽出
本の中に何度も出てくる重要なキーワード、トリガーワードを抽出します。
フォトリーディングした後トリガーワードが浮かび上がって見えてくるので、20〜25個くらい重要だと思うトリガーワードをピックアップします。
質問を作る
トリガーワードを見ながら本の中から特に知りたいと思う質問を5〜10個程度頭に思い浮かべてみます。
フォトリーディング講座5.活性化
脳の潜在意識にある情報を引き出せる状態にする作業を行います。
生産的休養
頭の中にインプットした情報を熟成させるため、ここで一旦休みます。
できれば一晩寝かせるのが良いそうですが、それが無理ならば、最低でも10〜20分は本から離れて、情報を熟成させます。
質問を見直す
休息した後、改めて質問を見直してみて、フォトリーディング直後には浮かばなかった質問が出てきたら書き加えたり変更したりします。
スーパーリーディングとディッピング
スーパーリーディング:本の重要と思われるページや章などを、ざっと飛ばし読みのようにして読みます。
ディッピング:気になるキーワードなどをスーパーリーディング中に見つけたら、そこから数行〜多くても2ページ程度をじっくり読みます。
マインドマップを作る
本の情報全体を把握できたら、その情報をマインドマップとして書き込みます。マインドマップのキーワードは、トリガーワードや自分が作った質問を用います。
フォトリーディング講座に参加してみての感想
フォトリーディングのデメリット
フォトリーディングにとても期待して参加したのですが、私の感想としては残念ながら期待はずれだったと思います。
私は結局、このフォトリーディングの読書法をマスターできませんでした。
フォトリーディングには次のようなデメリットがあって、本を読む目的や人それぞれの個人差で、向き不向きがあるようです。
デメリット1.フォトリーディングが上達しているのか分からない
フォトリーディングを実際にやってみて感じるのが、自分のフォトリーディング技術が上達しているのかがさっぱり分からず、本をしっかり読めている実感が湧かないことです。
フォトリーディング中のページめくりだけは練習すると早くできるようになりますが、肝心の本の理解は不十分ではないかと不安になるのです。
デメリット2.元の読み方に戻ってしまう
フォトリーディングは本を読む前と後にたくさんの作業が入っているので、読書をするのがとても面倒臭く思えてくるのです。
この面倒くささが原因となって、慣れている元の本の読み方に戻ってしまいます。
フォトリーディングを毎日頑張って習慣にする方法もあるでしょう。しかしそれでは手軽に本を読めません。
このように考えてみると、フォトリーディングの読書法を完全に定着させるのは難しいと思いました。
デメリット3.フォトリーディングは万能ではない
フォトリーディングは普通のスピードよりも速く読めて、本の情報をたくさん得られると見られていますが、万能ではないようです。
この読書法は目標を持って主体的に本を読み、本の情報を得ることにあります。ですから目標がないままでフォトリーディングをしてもただの時間潰しになってしまいます。
デメリット4.フォトリーディングでは本をじっくり味わえない
フォトリーディングは、本の情報を早く収集することを目的としていますから、小説や評論のような本の中身とじっくり味わいたい場合には向いていないと思います。
本とじっくり向き合って読書をするのなら、フォトリーディングではなく、もともとあるゆっくりとした読書のほうがいいと思います。
デメリット5.ミカン集中法がイメージできない
フォトリーディングを行う前に、ミカン集中法といって自分の頭の後方にミカンが浮いている状態をイメージする瞑想法があります。
この瞑想法で私たちが脳の無意識の部分が集中している状態になるというのですが、私にはどうやってもミカンがイメージでず、フォトリーディングに集中できませんでした。
フォトリーディング講座のメリット
フォトリーディングというよりも、フォトリーディング講座で、私がメリットを感じた点を挙げてみます。
フォトリーディング講座に参加したメリットは、新しいフォトリーディングの読書法を知識だけでなく、講師の直接指導で実際に体験できたことでした。
メリット1.講師の直接指導
私はいままで本を読んでも、文字情報だけでは理解が進まずに、本の情報を役立てることができませんでした。
フォトリーディングも同様で、本を読んだだけでは理解できませんでしたが、講座に参加して、直接講師からやり方や疑問点を聞けたことで理解が進みました。
興味があったら本だけでなく、その講座に参加して直接講師の指導を受けてみることで、さらに理解が深まることを学びました。
メリット2.瞑想法を知った
フォトリーディングでは、読書をする前に瞑想して頭の中をクリアにする時間をとります。
いままで私は瞑想そのものの存在を知りませんでしたから、瞑想法とそのやり方を知っただけでも十分良かったと思います。
メリット3.マインドマップ
マインドマップはご存知でしょうか。
紙の中心にキーワードを書き、そこから関連する言葉を枝が伸びるように書いていくやり方です。言葉から連想したり、言葉同士をつなぎ合わせることで頭の考えを整理したり、何か新しい発想をするときに使います。
フォトリーディング講座でマインドマップを学んだおかげで、私はブログを書くときに役立っています。
メリット4.完璧な読書でなくてもよい
フォトリーディングの読書法は、完璧に中身を精読するといったスタイルではありません。
これは、完璧な読書を目指していた私にしてみれば目からウロコの出来事で、いままでの常識が正しいかどうか分からないなと思ったのです。
フォトリーディングをしても抜け落ちてしまう情報については、自分が必要だと思う都度、何度でもフォトリーディングして取り出すのだそうで、ある意味おおざっぱにしてもいいんだと思えるようになりました。
心理学からこのフォトリーディングの本を見てみると
本の題名が「常識を覆す学習法『フォトリーディング』あなたもいままでの10倍速く本が読める」となっていますが、心理学の視点から見てみると、本を買いたくなる心理テクニックいたるところに入っていることがわかります。
心理テクニック例1.常識を覆す学習法
もともとこの本は経営コンサルタントの神田昌典氏が監修しています。神田さんは「非常識な〜」で始まるビジネス書で一躍有名になった人です。
この「常識を覆す」という私たちの意表を突く言葉は、私たちの心理に違和感を持たせ私たちの目を引きます。
心理テクニックの例2.あなたもいままでの10倍速く本が読める
本をたくさん読みたいという私たちの願望に応えるような、それにピッタリの言葉で私たちを誘います。「10倍」という意表をつく言葉も常識を覆すと同じ心理テクニックですね。
心理テクニック例3.ハロー効果
心理学でハロー効果とは、ある人の権威を借りて自分の評価を高める方法のことをいいます。
この本では経済評論家の勝間和代氏が実際に実践者し、本の表紙にも推薦文を書いていますが、有名人の推薦なら大丈夫と安心させたり、勝間和代ができるのなら私ももしかして?と期待させる効果があるのです。
さすが経営コンサルタントでマーケッターでもある神田昌典氏のすることは違いますね。
まとめ・フォトリーディング講座を受講しても私が変わらなかったワケ
いかがでしたでしょうか。
「常識を覆す学習法『フォトリーディング』あなたもいままでの10倍速く本が読める」という本との出会いで、フォトリーディングの講座を直接体験しましたが、実際に講座を受けてみると、習慣化が難しくて私には向いていませんでした。
ただメリットとして、新しいフォトリーディングの読書法を知識だけでなく、講師の直接指導で実際に体験できたことで、知識を学ぶだけでなく、それを実践してみて身体で覚えることが大切なんだということを知りました。
また本には私たちを誘うさまざまなマーケティングが使われていて、本の生まれた背景やその作者の意図を十分知っておくことも大事だなと思いました。
そこで今回は、フォトリーディング講座を受講しても私の読書法が変わらなかったワケという内容でご紹介してきました。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
心理学は毎日を生きる知恵・心の波を穏やかに
最近まで、いろいろな本を読んで知識をたくさん得ることが大切なんだと思っていましたのですが、しかし私のメンターは、知識だけではダメですよと話しています。
学校教育では知識優先で頭の中にドンドン詰め込むことがいいことだと教わってきましたが、それでは役に立たないというのです。
つまり知識は実際に使ってみて、実体験として頭と身体に染みついているかが大切で、知ったかぶりをしていると、知識の表面だけしか理解できないとも話していました。
私もこれまで知識を詰め込むタイプで、私はいわゆるノウハウコレクターだったと思います。今はそれを卒業するように取り組んでいます。
もしノウハウコレクターを卒業したいとお考えでしたら、知識だけでなく、それが身体に身についたものであるかを考えてみてくださいね。