好意を持つ人のすることと同じしぐさをしてしまう。
相手がコーヒーカップを持ったら、自分もコーヒーカップを持った。
相手が微笑んだら、自分も微笑み返した。
あなたは何度かそう感じたことがありませんか。
好意のある人と無意識に同じ動きをするのを心理学では「ミラーリング」といいます。
私たちの中に生まれながらに備わっている本能なんだそうで、不思議な能力だと思いませんか。
ミラーリングは私たちが相手に対して安心したり信頼したりするときに無意識に行なうものです。安心も信頼もなければミラーリングはありません。
初対面の人や付き合いの浅い人とコミュニケーションをするのがちょっと苦手だなと思うときもありますよね。
しかし相手から安心や信頼を得るのに使うことができるのです。
それがミラーリング効果。
つまり相手の仕草を意識して真似て、相手から安心や信頼を得ることができるんですね。
私たちが生まれながらに持っているミラーリングの働きを使うと、私たちの人間関係がより豊かになるのです。
これって素敵だと思いませんか。
今回は、ミラーリング効果を使って、相手に好意を伝え、相手から安心信頼を得る方法についていろいろとまとめてみました。
ミラーリング効果は恋愛にもビジネスにも応用範囲が広いですから、あなたの人生をもっと明るく豊かにしてくれるツールになってくれます。
コミュニケーションをするのが苦手だと感じている方に、ご覧頂いて少しでもお役に立ちましたらうれしいです。
好意を伝えるミラーリング効果とは
ミラーリング効果とは、好意を持つ相手の表情や言葉、しぐさを無意識に真似ることをいい、真似された方も好意を持つようになります。
ミラーリングするとき「私はあなたの仲間ですよ」「私はあなたの味方ですよ」とのメッセージを相手に伝えています。
相手に対して好意や尊敬の気持ちを無意識に送っているのです。
ミラーリング効果として、こちらが相手を意識して真似ることで相手から安心や信頼を得られるのです。
初対面の人や付き合いの浅い人とコミュニケーションをするのがちょっと苦手だなと思うときもありますよね。
そんなときにお役に立つ方法なのです。
ミラーリング効果で相手に好意を伝えるテクニック
好意を伝えるミラーリング効果テクニック1.笑顔に笑顔を返す
相手が笑ったら、こちらも意識して笑顔で笑い返します。
笑顔になるとポジティブな感情が生れます。
相手をポジティブな感情にするだけはありません。
自分自身もポジティブな感情になるのです。
相手も自分もポジティブになれたら、お互いに安心できますね。
好意を伝えるミラーリング効果テクニック2.相手のしぐさを真似する
相手のしぐさをよく観察してみます。
相手のしぐさを理解したら、意識して相手と同じく真似てみましょう。
しぐさの真似の例です。
- 相手が足を組んだら、自分も足を組む。
- 相手がお茶を飲んだら、自分も一緒に飲む。
- 相手が楽しそうに話をしたら、自分も楽しそうな雰囲気を出す。
- 相手が頬杖をついたなら、自分も頬杖をついてみる。
- 相手が背もたれに寄りかかったら、自分も背もたれに寄りかかってみる。
好意を伝えるミラーリング効果テクニック3.相手の言葉を繰り返す
相手との会話の中での相づちには「うん」「そうだね」と言う以外にも、相手のいった言葉を繰り返して話してみましょう。
言葉を真似した例です。
- 「△△は面白かったよ」と相手が話したら、自分も「△△は面白いんだよね」と繰り返す。
- 「▲▲は最高だね」と相手が話したら、自分も「▲▲は最高だよね」と繰り返す。
- 「昨日、うれしかったんだよ」と相手が話したら、自分も「そう、うれしかったんだね!」と笑顔で返す。
注意!ミラーリング効果の失敗例
ミラーリングの失敗例1.真似の仕方がオーバーすぎる
笑顔や言葉、しぐさをオーバーに真似ると逆効果になります。
相手の反応以上に自分がオーバーに反応すると、相手はバカにされたと感じます。
相手の心の中で警戒センサーが発動してしまい、この人は信用ならない人だと思うのです。
くれぐれも、オーバーにやりすぎないように気をつけましょう。
ミラーリングの失敗例2.真似るリアクションが足りなすぎる
真似する回数が少なかったり、リアクション自体が小さかったりすると相手は真似されていることに気づきません。
最初は気恥ずかしさがあるので真似るリアクションが足りなくなりますね。
相手が分かるように、意識して真似する回数やリアクションを大きくしてみます。
好意を伝えるミラーリング効果・練習方法
ミラーリングを会話の中で突然やろうと思っても、身体が慣れていないので上手にできません。
そこで次の練習方法をして、本番でうまくできるようにしておきます。
好意を伝えるミラーリング効果・練習方法1.顔の表情の練習
普段私たちは自分の表情がどうなっているか確認することはありません。
自分がどんな表情をしているか意識していませんね。
なにせ普段は自分の顔の表情を見ることはできません。
自分が考えている感情と実際の顔に出ている表情が違うかもしれません。
さらに自分では表情を作っているつもりでも、無表情だったりするのです。
鏡の前に立っていろいろな顔の表情を作る練習が必要です。
このとき自分のとびっきりの笑顔をさっと顔に出せるようになるまで繰り返しておきます。
顔の表情を作っていると表情筋が鍛えられて、顔の表情がさらに豊かになります。
顔が若返って、ますます魅力的になりますよ。
追加で発声練習もオススメです。
声をお腹から出すと声が良く響いて、相手の心に言葉が届きます。
好意を伝えるミラーリング効果・練習方法2.まず身近な人で練習
初対面や、まだ付き合いが浅い人を前に、いきなりミラーリング効果を使うのはかなり危険です。
失敗しないためにも、ミラーリング効果が十分にできるようになるまで、まずは身近な人で練習してみましょう。
ただし最初は内緒にして、ミラーリング効果の練習をします。
このことを知られてしまったら練習になりませんからね。
練習が上手くいったらミラーリング効果の知識を身近な人とシェアしましょう。
アウトプット(知識を教える)すると、さらに自分の脳にミラーリング効果の知識が定着しますよ。
好意を伝えるミラーリング効果・実践編
練習をして自信がつくと、実際の場面のときに緊張しなくなります。
もし実践に入る前、緊張して頭が真っ白になりそうだと思ったら、慌てずに次の順番でミラーリングを行っていきます。
ミラーリング効果の実践順番1.笑顔
相手に不快感を与えない笑顔を作ります。
鏡の前でたくさん練習しましたから大丈夫なはずです。
さらに「心は落ち着いている」と自分自身に唱えます。
ミラーリング効果の実践順番2.言葉
笑顔がスムーズにできたなら、次に相手の言葉を真似します。
急がず慌てずに、ちょっと間を置きながらやりましょう。
間を置いて話していると、落ち着きのある人だというイメージを相手に伝えます。
ミラーリング効果の実践順番3.しぐさ
言葉をスムーズに繰り返せたら、最後にしぐさを真似します。
最初は少しずつ、だんだんと増やしていきます。
ミラーリング効果で相手の気持ちを確認する方法
ミラーリング効果をしていたら、相手の気持ちが気になりますね。
実はしぐさから相手の気持ちが分かります。
ここでは相手の気持ちの確認方法を見ていきましょう。
ミラーリングのとき相手の気持ちを確認するには1.相手の視線を確認する→視線を下にずらしたときは
相手と話しているとき視線を感じたなら、ミラーリング効果を使って相手と目を合わせてみましょう。
相手の視線の動きで相手の気持ちが分かります。
相手が視線を下にずらしたときは、どのような気持ちでしょう?
相手は「あなたに好意がある」のを隠しているサインです。
自分の気持ちを悟られたくないので、無意識に視線を下げます。
ミラーリングのとき相手の気持ちを確認するには2.相手の視線を確認する→視線を上にずらしたときは
相手が視線を上にずらしたとき、相手は「あなたを意識していないよ」の意思表示をしています。
ただしこの意志表示は完全拒絶でなく「勘違いしないでね」ぐらいの意味ですので落ち込まないでください。
ミラーリングのとき相手の気持ちを確認するには3.話を聞く、話す様子を確認する
人は好意のある人と話をするときに目を見つめます。
男性の場合は「話を聞くとき」に相手の目を見つめて好意の気持ちを表します。
反対に女性の場合は「話をするとき」に相手の目を見つめて好意の気持ちを表しています。
このように男女で、見つめ方が違います。
ミラーリングのとき相手の気持ちを確認するには4.相手との距離を縮めたとき相手の動きは?→変わらない
人は好意を寄せる相手とは物理的にも距離を縮めてきます。
そこで相手が好意を持っているかを確認するために、相手との距離を少し縮めて反応を確かめてみましょう。
相手との距離を縮めてみて相手がそのままなら、相手が好意を持っているよというサインです。
ミラーリングのとき相手の気持ちを確認するには5.相手との距離を縮めたとき相手の動きは?→離れる
相手との距離を縮めてみて相手が離れたなら、相手がそれほど好意を持たないよ、関心がないよというサインです。
無理に近づかず、相手へのアプローチを諦めたほうがよさそうです。
ミラーリングのとき相手の気持ちを確認するには6.相手がミラーリングを返すか確認
相手の様子を観察して、自分がした笑顔や言葉、しぐさに相手がミラーリングしているかを確認しましょう。
相手が好意を持ち始めると相手は無意識にこちらのしぐさに合わせてミラーリングを始めてきます。
この状態になれば、ミラーリング効果が成功した、相手が安心と信頼を持ってくれたと実感できます。
ミラーリング効果で好意を伝えよう・素敵な信頼関係を築く方法・まとめ
いかがでしたでしょうか。
ミラーリングは相手に好意を持つと無意識に相手の動きを真似してしまうことをいいます。
人間の心理状態が安心や信頼のあるとき相手のしぐさを真似てしまうという人間の本能なのです。
今回は相手のしぐさを意識して真似る、ミラーリング効果を使って、相手の笑顔や言葉、しぐさを真似ることで、相手は好意を持つことをお伝えしました。
この方法を使えば、恋愛でもビジネスでも人間関係を円滑にしていけます。
コミュニケーションをするのが苦手だと感じている方に、人間関係を円滑にする潤滑剤としてご利用いただき少しでもお役に立ちましたらうれしいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
心理学は毎日を生きる知恵・心の波を穏やかに
私はもっと早く心理学の勉強をしておけばよかったと思います。
私はずっと営業の仕事をしていて、コミュニケーションを取る難しさをずっと感じてきました。
とくに営業のやり方を教えてもらえなかったので、自分なりの工夫しかできず、相手の心の中を探るのが下手で交渉することは特に苦手でした。
また営業は第一印象が大事ですね。
でも私は相手に与える第一印象で失敗することもあって、どうしてうまくいかないのか?と疑問に思っていました。
このように理論としてハッキリ知っていたなら、覚えやすくて実践もラクでした。
私はこんな理論を知らないので、ひたすら失敗しながら身体に覚え込ませたつもりでした。
人間関係の構築もたくさん経験したから自分でもできると思ってきました。
しかし、実際はそうじゃなかったんですね。
私がメンターに出会ったことで、私の問題点が浮き彫りにされました。
「小島さんは自分が謝ったり下に降りたりすることで人間関係を築こうとするから、本当の意味での信頼関係のある人間関係は築けませんね」
(えーっ、どこが悪いの?)
内心このように思ってました。なのでなぜそのように言われたのかその意味が全然分かりませんでした。
でも今はすこしずつ分かるようになってきました。つまりこういうことです。
相手によく思われようとして、自分をよく見せても自分の本当の姿を見せずに無理しているので自分が辛いだけだ。
また、相手に対してホンネを言わないので自分のことをよく分かってもらえない。
したがって本当の意味での信頼関係は築けない。表面上の付き合いしかできない。
こういうことなのですね。
メンターから話を聞いてしばらくたってから、やっとこのことに気がつきました。
確かに今まで表面上の人間関係しかありませんでした。
自分をよく見せようとして無理ばっかり。ちっとも心が休まることはありませんでした。
本当にやっと気づいたばかりなのです。
でもメンターは「気づくことが大切です。無意識でしているから問題なのです」と話してくれます。
「意識して考え方や行動を変えると自分を変えられますよ」とも教えていただきました。
私は対人恐怖症で、これまの人生は不安ばかりの日々でした。
でもメンターのアドバイスのお陰で心が穏やかになってきたと感じています。