他人のしているのを見ているとじれったい。
全部自分でやらないと気が済まない。
他人のしていることが気になって何でも口を挟んでしまう。
完璧主義の人はこのようなことをして周囲の人から煙たがれてしまうことが多いですね。
私自身が完璧主義だったので、同じ体験をしてきました。
私はいつも悩んでいました。
なぜこんなに苦しむほど完璧主義なんだろうと。
完璧主義になってしまった原因がわからなかったんですね。
勝手に無意識にやってしまう完璧主義のことを知りたいと思いました。
そこで今回は「完全主義の人の心理・硬い殻に入った心を開放する」という題で、完璧主義の人の特徴や原因、改善方法などについてご紹介したいと思います。
完璧主義の心理1.特徴は?
まず完璧主義の心理を知るためには、「特徴」を知ることがとても大事だと気づかされました。
完璧主義を考えるとき、どうしても「気にしない方法」「相手を頼りましょう」などの対処法にフォーカスを置いてしまいがちです。
しかし、自分がアドバイスされたり教えられる側になったとして考えてみてほしいのです。
完璧主義の特徴をよく知らずに、いきなり「こうやってみよう」「この方法はいいよ」と言われて、すぐに「はい、そうですか」と受け入れるでしょうか。
対処法をやってみようと思うでしょうか。
答えは「ノー」だと思います。
まずは、完璧主義の特徴をよく知ること。
ほぼすべての場合、スタートポイントはそこになるはずです。
では、完璧主義の特徴を見ていきましょう。
誰でも持っている完璧主義
完璧主義は誰でもある程度は持っています。
むしろ完璧主義を持ち合わせていなかったら、一人の社会人として仕事を任せられたとしても、やり通すことはできないでしょう。
でも、完璧主義の度合いが強すぎると、何事にも妥協できず、融通もきかず、曖昧さも受け入れられなくなって、自分も周囲の人も振り回されてしまうのです。
例えば、自分のやり方しか認めず、全て自分がやらないと気が済まないぐらい強い完璧主義の人はどうでしょうか。
私の場合がそうでした。
何にでも口を挟み、何でも自分でやってしまうので、周囲の人たちは何か支配されているような感じになって、のびのびと自分の判断で動けなくなっていたのです。
窮屈で息苦しく、やる気も削がれていました。
また完璧主義だと、相手が間違いや欠点を許す余地がほとんどないので、一度だけの間違いでも許せず、絶対に忘れたりしません。
完璧主義がうまく機能しているときは、優れた向上心があるとか、前向きな人間とかに見えるのです。
でも周囲の人の期待が高くなってくると、自分の我慢の限界に近づいてきて次第に心が苦しくなってくるのです。
こんなとき悩みや苦しみを、親以外の友だち、親友に相談できたり愚痴を言い合えるといいのですが、プライドが高いので、自分の弱みを見せられなくて自分一人で抱え込んでしまいました。
人間関係も次々と自分から切ってしまうことも多く、安定して継続した人間関係を築けません。
次に「完璧主義になってしまった」理由を見ていきましょう。
完璧主義の心理2.原因は?
完璧主義の特徴の次に見てもらいたいのが「完璧主義になってしまった原因」です。
私自身も完璧主義なのでこの原因を痛感しているのですが、完璧主義の人は自分で思っているほど原因を知らないことがあります。
いくら自分では分かっていると思っていても、ほとんど原因を知らない・・・原因を知らないで完璧主義で悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
ですので、ただ「完璧主義はよくない」と決めつけただけで完璧主義が簡単に治せるなんてことはないのです。
もちろん中には自分を客観的に観察できて、治し方だけを聞いただけで、完璧主義を治せる人はいると思いますが、それは例外です。
そのような人の場合はあくまでも例外なので、他の人には適用できません。
完璧主義の人には何かしら「原因」となった事実があるはずです。
だからこそ気が付いてもらいたいのが、「完璧主義になってしまった原因」を知ることです。
完璧主義の人に共通する原因を見ていきましょう。
完璧主義の人に共通する原因
完璧主義の私は、子供の頃に嫌だという正直な気持ちを親に対して伝えられなかった経験を持っています。
親が自分に期待していることを無意識に理解し、その期待から自分が外れないように一生懸命に努力してきました。
親の期待から外れることは「自分がダメな子ども」になることなので、それだけは絶対に避けないといけません。
こういう気持ちをずーっと持ち続けてきたことで、知らず知らずのうちに「完璧な自分」という自己像を創り上げてしまったのです。
こうなると、周囲からの批判や非難、恥をかくなどの自分の無価値感を思い知らされる場面を怖がるようになります。
自分が価値がないなんて絶対に死んでも認めたくないのです。
なんとしても完璧であろうとします。
さらに完璧にできないのなら最初からやらないと決めてしまいます。
この理由のために完璧主義者の人の大半が行動できないのです。
このように原因を探っていくなかで、完璧主義を治していくヒントが見つかってきます。
完璧主義の心理3.心の底にある「被害者意識」
これまで完璧主義の特徴と原因について見てきました。
ただ見てきただけでなく、完璧主義になってしまう背景が見えてきたと思います。
次に知っていただきたいのが、完璧主義の人の心の底には、被害者意識があるということです。
私がそうだったのですが、被害者意識のために自分で問題を解決できない状態になってしまうのです。
特徴と原因を知れば、完璧主義をなんとか治したいと考えますよね。
いきなり完璧主義が治ってしまうほど甘いものではありませんし、ここで紹介しているのは一発で治ってしまうことを目標としていません。
失敗してもいいので、少しずつ前進し、さらに自分の心の状態を安定させることを目標としています。
完璧主義者の人の被害者意識とは?
完璧主義者の私は子供の頃、親の前では緊張して、親のご機嫌を取ったり、顔色をうかがったり、けなげな努力を繰り返したりしていました。
さらに、その苦しさを分かってほしいと願っていました。
でもその願いはいつも、一方的に親に押し切られてきたと思っています。
完璧主義の私は次のようなイメージを親に抱いていました。
- 私の言うことは全く聞く耳を持たなくて、親はいつも一方的に自分の意見を主張する
- 私が弱音をはくと、親はいきなり怒るので、親の前では絶対に泣けない
- もっともっと、と私に要求する
- 親は外面がいいけど、内面は悪い
- 他人の悪口や他人と比較ばかりしてくる
- お金のことしか話さない
- 親は自分の失敗を決して認めなくて、全部私のせいだと話す
- 頼ったときそのあとに来る反動が怖かった
- 絶対にほめてくれない
- 親の笑った顔を見たことがない
- 親に甘えるのが怖かった
- 私はずっと自分を責め続けていた
- 親はお金をよこしても、必ず見返りを要求した
- 私は孤独でいつもため息ばかりついていた
いかがでしょうか。
自分に当てはまるものがあると思いませんか。
心の中で失敗したことや失敗を避けて行動しなかったことを、いつまでも責めていて、この辛い状態から逃げ出すために考えだした方法なのです。
つまりつらい状況を、周囲に責任転嫁して楽になろうと考えました。
- 私は悪くない
- 悪いのはみんなだ
- 逃げているのは私ではなくみんなだ
- 今まで悪者扱いされてきた
- 私は犠牲者だ
- 一時も休めないぐらい教育されてきた
- いつも怒られていた
- 何をやろうとしても否定されてきた
- 私ぐらい苦労した人はいない
- 私ぐらい我慢してきた人はいない
被害者意識のせいで、自分はこのせいでやりたくてもやれないのだ、と自分に言い聞かせているのです。
しかし、社会生活を続けていく中で、生き抜くにはこの被害者意識をなんとかしないとなりません。
放っておいても時間は解決してくれないのです。
被害者意識が自分の人生にデメリットを生んでいるのを気づくことなのです。
完璧主義の心理4.改善していくには
完璧主義の人の心の底には「被害者意識が」存在しているのがお分かりになられたと思います。
他人のせいにするよりも、自分でなんとかしたいと考えるようになってきたかもしれません。
ここまでお分かりいただけたら、最後に完璧主義を改善する方法に進みましょう。
「被害者意識」を自覚する
それは「被害者意識」が自分の心の中にあることを自覚することです。
これまでなぜ完璧主義になってしまうのだろう?自分がなぜこのような行動や、考え方、感情になってしまうのだろう?と疑問に思ってきたはずです。
だって完璧主義は無意識に勝手にやってしまうことですからね。
無意識にしてしまう原因は「被害者意識」でした。
自分は被害者意識があるから、完璧主義になってしまうのだと認識することです。
いつも自分の意識に上げておけば、自分の心をコントロールできます。
自分がやりそうになったら「あっ、いけない」「おっと、ここで出てきたな」と気がつくのです。
あまりに簡単すぎると思われるでしょうが、実際には簡単ではありません。
無意識の力はとても強いので、簡単に元に戻ろうとします。
完璧主義を改善するなら、「被害者意識」が自分の心の中にあることを自覚してみてください。
次にもうひとつあります。
積極的に諦める
それは「積極的に諦める」ということです。
世の中の風潮は「諦めるな、諦めるのは悪いことだ」と言っています。
確かに努力もしないですぐに諦めてしまうのは自分を成長させません。
難しいことに取り組んで、最初はうまくいかなくても、繰り返し続けていけばできるようになります。
頑張るのは可能性を高め、成功に近づくことなので、できなければ、できるようにするのは大切です。
夢や目標があることは、人生の生きがいになります。
しかし、現実は困難が続くこともあります。
特に完璧主義の人は「諦めること=悪いこと」と考えやすいのです。
出口の見えないトンネルに迷い込んで抜け出せなくなることもあります。
そこで大切にしたい考えは「諦める」ことです。
諦めることで、無限のマイナスループから抜け出せ、それ以上苦しまなくてもよくなります。
もし諦めるのがどうしてもできないのなら、このように考えてみてはどうですか。
諦めることは「前進すること」です。
諦めるをネガティブではなく、ポジティブにとらえてみましょう。
自分の限界を受け入れて、他の選択肢を選べる。
ひとつ諦めたことで、別のものに光が当たった。
方向転換して、別の道を歩けた。
これって前進です。
「頑張るのをやめよう。諦めて次に進もう」
このように自分に話しかければ、完全主義の硬い殻に包まれた心が開放されます。
自分を許すことが完全主義を治していくことなんです。
まとめ・完璧主義の心理・殻にこもった心を開放する4つのステップ
でしたでしょうか。
完璧主義の人は子供の頃、親の期待から外れないよう一生懸命努力してきました。
それが知らず知らずのうちに「自分は完璧でなければいけない」と思うようになってしまったのです。
この作り上げてしまった自己像のせいで、ずっと自分を苦しめてきました。
完璧な自分の自己像を捨てましょう。
心の底にある被害者意識も消去していきましょう。
積極的に諦める姿勢になりましょう。
ただし、一発で治ったりしません。
何度も失敗を繰り返しながら、自分を成長させていきましょう。
今回は「完全主義の人の心理・硬い殻に入った心を開放する」という題で、完璧主義の人の特徴や原因、改善方法などについてご紹介してきました。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
心理学は毎日を生きる知恵・心の波を穏やかに
私もバリバリの完璧主義者だったんです。
絶対にできないといけない、失敗できないという気持ちが強くて毎日つらい思いをしていました。
今回完璧主義の人のことを学んでいる中で、被害者意識が全部自分に当てはまっていて驚きました。
これって、完璧主義の人は誰でもこの感情を持っているんですね。
今まで自分だけが苦しんでいるんだと、勝手に思い込んでいました。
本文でも書きましたが、いつまでも誰かのせいにしていたのでは、自分の人生を変えることができないと、改めて思っています。
私のメンターは親子関係についてこのように話しています。
「親と子どもは必ずしも仲が良いとは限りません。
親も子どももそれぞれ違うテーマを持って生まれてきているので、衝突するのは当然です」
ですから、親の言いなりにならなくてもいいのです。
私自身も親の強い期待の中で育ったために、完璧主義になったのでした。
メンターの勧めで、親と物理的に離れたことで、自分を見つめ直し、完璧主義から開放されようとしています。
自分の心の中にある「わだかまり」は何かを見つけられるかもしれませんよ。