レジリエンスとは困難があっても折れない心、しなやかな心を保った状態のことをいいます。
ストレスの多い現代社会で必要とされる能力で、NHKのクローズアップ現代で紹介されて以来知られるようになってきました。
東日本大震災後に心の痛みで苦しんでいる人たちにも、レジリエンスの考え方で心のケアがされたそうです。
そんなことに興味を持った私が「レジリエンスの鍛え方(著者:久世浩司)」という本のなかで見つけた考え方は、折れない心やレジリエンスを理解するのにとても役立つと思いました。
今回はその考え方についてご紹介していきたいと思います。
折れない心を持つ人たちはこんな特徴を持っています。
逆境や困難に直面しても折れない心を持ち、すぐに元の状態に戻ることのできる力があります。
竹のようなしなやかさをもった心の状態を持っています。
ストレスや予想外のショックといった外側から受ける圧力に対して耐える力があります。
テニスボールのように弾力性があって、外側から圧力がかかっても潰れずに跳ね返してしまう心の打たれ強さがあります。
予想していなかった変化や危機に直面したとき、動揺して抵抗したりせず、新しい事実を受け入れて合理的な考え方で対応する力があります。
道路のせまい亀裂からでも芽を出して生き抜く雑草のような変化に適応できる力があります。
つまりレジリエンスが高いとストレスいっぱいな現代社会で心折れずに生きていけるバイタリティがあるということなんですね。
このレジリエンス特別な人しか持っていない能力なんでしょうか。
レジリエンスは誰でも持っている力で育てることができるんです。
レジリエンスを鍛えるには7つの技術的な方法があります。
そんな中で、私が今回注目したのが、役に立たない「思い込み」を投げ捨てるということです。
レジリエンスが高く心が折れない人になるには自分の感情をコントロールすることが大切です。
ストレスを受けてマイナス感情になると、考え方に柔軟性がなくなって、判断を間違えたり、行動できなくなってしまうからです。
その感情の元が「思い込み」です。
私たちが心の中に持っている厄介なフィルターなのです。
と言ってもなんのことだかよく分かりませんね。
思い込みとは、過去にあった体験が原因になって自分の心の中に刷り込まれてしまった価値や信念のことをいいます。
ストレスやトラブルなどで強い刺激があると、こんな辛い体験を二度としたくないと脳が判断します。
さらに脳は無意識に危険を避ける脳内のプログラムを作ってしまうのです。
同じ体験をしそうになると自動的に感情が動いて危険を避ける行動をしてしまうのです。
このしかけは人類が原始の頃、危険な場所や危険な動物に遭遇して、生命が危険にさらされないように発達したプログラムなんですね。
現代では危険な動物に遭遇するなんてことはなくなりましたが、いまだにこのプログラム=思い込みがあるので私たちの心を苦しめるのです。
元々は私たちの命を守るためのプログラムだったのに皮肉なものですね。
ではレジリエンスを高めて折れない心にするにはどうすればよいでしょうか。
心が折れないためには、自分を客観的に観察し冷静になれることです。
冷静になれば、頭も柔軟性が増してきて、ストレスやトラブルに対する対策も考えられるようになるのです。
客観的に観察するなんて難しそうですね。
そこで出てくるのが、今回私が本の中で見つけた考え方です。
こんな見方を持つと分かりやすくなるかもしれません。
犬は知らない人に出会ったときや知らない犬がやってきたとき「あっちいけ、こっちにくるな!」という意味でワンワン!とか、キャンキャン!とか吠えますね。
犬の頭の中について私は動物学者でないので知りませんが、攻撃されるかもしれない恐怖感、不安感から吠えているのではないでしょうか。
私たちの感情を湧き起こす思い込みもコレと同じで、何か出来事があったとき、心の中に飼っている犬が、恐怖や不安を感じて吠えていると考えてみてはどうでしょう。
つまり「思い込み犬」がワンワンと吠える=感情が湧き起こったり、行動したりすると考えてみるのです。
では「思い込み犬7匹」のご紹介をしましょう。
正義犬の特徴
正義犬の口ぐせ
正義犬の感情
批判犬の特徴
批判犬の口ぐせ
批判犬の感情
負け犬の特徴
負け犬の口ぐせ
負け犬の感情
謝り犬の特徴
謝り犬の口ぐせ
謝り犬の感情
心配犬の特徴
心配犬の口ぐせ
心配犬の感情
あきらめ犬の特徴
あきらめ犬の口ぐせ
あきらめ犬の感情
無関心犬の特徴
無関心犬の口ぐせ
無関心犬の感情
私たちの心の中にいる7匹の思い込み犬ですが、思い当たりませんか。
自分の感情をまるで犬を見るように観察できるなんて面白いですね。
では思い込み犬をどう対処するのか見てみましょう。
思い込み犬は、ストレスやトラブルに遭遇すると大声で吠えます。
そのときの犬の状態を観察して、犬に聞いてみるのです。
何でそんなに吠えているの?という具合にです。
思い込み犬の声を聞いたなら、本当にそれが現実の出来事の対応として正しいのか判断してみましょう。
思い込みがマイナス感情やネガティブな行動をしてしまうのが問題なのです。
思い込み犬の対処法は次の3つです。
あまりにも繰り返し吠えて役に立たなくて有害だと思うときは、その思い込み犬を手放してしまいましょう。
つまり自分の思い込みはよくないから、考えても仕方がないと思うことです。
思い込み犬の言っている内容が確かに納得いくのなら、その通りにしましょう。
思い込み全てが悪いということではありません。
危険を避けるために正しい判断もするのです。
合意できるなと思ったら思い込み犬の通りに従いましょう。
思い込み犬の言っていることが完全に正しいと思えないけど、間違ってもいないなあと思うときは、思い込み犬を上手に手なづけて今後も付き合ってみましょう。
思い込み犬を訓練する=躾けるということですね。
おそらくほとんどの対処は訓練することになるでしょう。
つまり出来事の考え方や見方を変えるといったことで思い込み自体を変えていくということです。
自分の感情を冷静になって客観的に見ることができれば、レジリエンスが鍛えられて折れない心を育てられます。
自分が犬を飼っていると想定してみて、自分の感情を客観的に見る訓練をすれば、自分の感情から開放されてもっと自由に物事を考えられるようになるのです。
いかがでしたでしょうか。
レジリエンスは、ストレスの多い現代社会では必要な能力です。
さらにレジリエンスは誰でも持っている力で育てることができます。
今回は自分が心の中で犬を飼っていると想定してみることで、自分の感情を客観的に見る訓練をし、物事を冷静に見れるようになる考え方をご紹介してきました。
自分の感情から開放されて自由に物事を考えられるようになれば、人生が明るく豊かに変わってくるでしょう。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
思い込み犬。
実におもしろい考え方だと思います。
私の思い込み犬はどうだったと思いますか?
実は7種類の犬全部がマイナスでした。
いつもレジリエンスが低くて辛い思いばかりしてきました。
ストレスがあると不安が強くなったり、突発的なことでは上手に対処できなかったりとホント散々でした。
特に仕事上で受けたストレスは大変辛かったですね。
平穏無事に仕事って進まないですものね。
毎日ビクビクしながら仕事していたような気がします。
悪いことが起きませんように・・・て毎日お祈りしていました。
でも「〜でした」なので今はちょっと変わってきたんですよ。
それは、私がメンターに出会ったからです。
メンターの主催する勉強会で心の勉強をしていくと、あんなににぎやかに吠えまくっていた思い込み犬が、静かになってきたのです。
犬が吠えなくなると挑戦する力が出てくるんです。
これってすごい力がありますよ〜。
あなたの思い込み犬を黙らせるのにきっとお役に立てたらうれしいです。
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