ネットワークビジネスをして友だちがいなくなった。
ネットワークビジネスの商品を大量購入して借金を作ってしまった。
ネットワークビジネスと聞くとなんだか怪しいなと思いますね。
私も昔からこのビジネスはアブナイと聞いていたので、近づかないようにしていました。
しかし、あることがキッカケで10ヶ月間この仕組みの中に入ってしまったのです。
人間の心理を見事に利用してとても上手な、いや!恐ろしいシステムだと思います。
あの時のことを思い出しながら、ネットワークビジネスの勧誘手口と、ネットワークビジネスに関わって私が思ったことをご紹介していきたいと思います。
自己啓発系のセミナーに参加したところ、たまたま隣に座った若い男性が私に声をかけてきたのです。
明るくて親しげに話しかけてきたので、いい感じの人だなと何の疑いもなく彼と話をはじめました。
彼はトレーニングジムでトレーナーをしていると話しました。
その頃私は腰痛で苦しんでいました。すこし歩いただけでも足腰が痛くて長距離の歩行ができなかったのです。
そんなときAさんがトレーナーをしている話を聞いた私は、腰痛のことや体づくりのことを相談したのです。
彼は個人的にトレーニング方法を教えますよと言ったので、喜んで彼の話にのりました。
私はAさんの自宅に呼ばれました。
私は彼の自宅で体力測定をしたあと、健康的にダイエットする方法や栄養の取り方、実際の身体のトレーニング方法も実演して教えてもらいました。
彼がトレーニングを終了すると、私にこれを使ってみませんかと健康食品を勧めてきます。
この商品を一緒に摂るとトレーニング効果が上がりますよと彼は言うのです。
Aさんに勧められるまま、健康食品を彼の自宅でネットで注文して、商品を使い始めました。
彼から勧められた商品がネットワークビジネスのものだったのです。
しかしまだこの段階ではビジネスについて話はありませんでした。
彼との連絡はLINEでやり取りをしました。
彼からは、身体の調子はどうですか、と連絡がきます。
親切な人だなと思いました。親身になってくれることを単純にうれしく思いました。
そんな彼を信頼していたので、彼からの毎週1回朝カフェしませんか、という提案にも喜んで出かけました。
3回目の朝カフェのとき、Aさんは女性(Bさん)を紹介してきました。
彼は、Bさんは管理栄養士で長い付き合いのある友だちなんです、私の食生活の指導のためにBさんにきてもらった、と言います。
感じの良い明るい女性で、私は何の疑いもなく彼女の話を聞き、彼に対しても、こんなに親切にしてもらってありがたいなと思いました。
でも実は彼女がやってきた本当の目的は、私がネットワークビジネスに向いているかどうか品定めすることだったようです。
その後Aさんから別なお誘いがあります。
私が一番尊敬している友だち(Cさん)の自宅で楽しいゲームをするから来てみませんか、ということでした。
彼の友達の家に行くと若い男女が6人ぐらい部屋にいました。
私はそこでAさん、Cさん、他の若い男女6人と、金持ち父さんのキャッシュフローゲームをします。
このゲームの目的は毎日あくせく働く労働収入と、不動産や株式など労働しなくても収入になる権利収入との違いを参加者に気づかせるためのものでした。
まだこの時期にはネットワークビジネスの話はでてきません。
権利収入は素晴らしいことを理解させるものだったのでしょう。
ネットワークビジネスの話をするのに仕掛けられた前フリなんですね。
Aさんからさらに健康食品の勉強会に参加しませんかと、お誘いがあります。
勉強会は50人以上の若い人でいっぱいでした。
勉強会でAさんは私を次々にメンバーに紹介します。
メンバー全員が私のことをほめるのです。
最近あまりほめられたことのない私は、つい舞い上がって喜んでしまいました。
でも後から考えてみたら私は、彼らの新しい収入源だったんですね。
そんなことも分からず、調子に乗りました。
まだネットワークビジネスの話は出てきません。
一度勉強会に出てしまうと、他の勉強会やセミナーに参加しようとAさんは何度も私を誘います。
何の考えもなく彼の言うままに参加していました。
あるセミナーのとき、ついにネットワークビジネスの話が出てきました。
ネットワークビジネスがどのように動いているのかシステム全体についての話でした。
自分がまず愛用し、新たに3人の友だちを仲間に入れて、さらにその3人が別の友だちを仲間に入れていけば、自分の商品購入代金がタダになるだけでなく、収入にもなるというのです。
本当にこんなことで収入になるのか?と私は疑問でしたが、私の周りの人たちは真剣に聞いていました。
いよいよネットワークビジネスを始めるか決断を迫られる場面になってきました。
Aさんと知り合って4ヶ月後、彼からのお願いがありました。
目標成績を達成すると会社から車をプレゼントされるのだが、頑張ってあと少しのところで数字が達成できない。協力してほしい、という話です。
購入金額で20万円分。
ちょっとためらいましたが、これまで彼によくしてもらっているのだから協力してあげようと考えました。
彼の言うとおりにネットワークビジネスの会社に商品を注文しました。
彼からのお願いされた2日後、ネットワークビジネスの商品が販売会社から宅配便でまとめて届きました。
20万円分なのでかなりの量です。
はじめは彼に良いことをしてあげたと思ってよろこんでいましたが、現実に積み上げられた商品を見ていると「なんでこんなことしているんだろう」と考えるようになってきたのです。
その後もAさんは、今月は商品のキャンペーンがあって、商品が無料になるサービスになるのでもう少し買ってみませんか、と話します。
確かに、追加で毎月2万円以上の商品を定期購入すれば商品が無料になるのですが、本当にお得なのかあやしくなってきました。
相手の言うなりに商品をどんどん買っていくと、商品を使いきれなくなると思ったからです。
だんだんバカらしくなってきました。
自分が利用されているのだと分かってきたからです。
こんな高額の商品を買わせても平気でいる彼の様子に腹が立ってきたんですね。
彼からの追加購入の話を聞いた段階で、ネットワークビジネスと縁を切ろうと心に決めました。
彼との関係を少しずつ減らしていきます。
彼との毎週1度の朝カフェにも用事があると言って参加するのをやめました。
彼から誘いのあったネットワークビジネスの勉強会にも参加しませんでした。
彼からのLINE連絡も来ないようにブロックし、最終的には友だちの削除をして彼との付き合いをやめました。
その後彼とは一度も会っていません。
彼からの連絡はなくなりました。
ネットワークビジネスに人を誘い込むために、さまざまなテクニックを使います。
私の例を見ても分かるでしょうが、何人もの人が関わってひとりの人を誘います。
Aさんは新しく人を探す役割をしていて、新しく入った人が商品を購入することで収入を得ています。
さらにAさん以外に私と会った人たちは、Aさんよりも上のランクにいる人たちで、彼らも私が商品を購入すると収入になるのです。
彼らは自分たちの利益のためにお互いに協力していたんですね。
さらに心理テクニックで誘い込むのがとても上手なのです。
最も多く使われている心理テクニックは「返報性の法則」ですね。
相手からモノをもらったりサービスを受けたりすると、受けた方も何か相手に返さないといけないと思ってしまう人間の心理です。
私はAさんにトレーニングの方法を教えてもらったり、健康法を教えてもらったり、集会に誘ってもらったりしたことで、彼のために何かをしてあげないといけないと思ってしまいました。
ネットワークビジネスの人たちはピラミッド型の人間関係になっています。
上部の人たちは下部の人たちに新しい人を集めてくるように働きかけ、入ってきた人を上部の人がフォローして仲間から抜けないようにしています。
上部の人も下部の人も新しい人が増えることで、自分たちの収入が上がるのですから必死なのです。
ネットワークビジネスをしている人たちは、ほぼ若い人です。
勉強会に行くと若者の多さに驚きました。
とても明るく元気いっぱいの雰囲気です。
健康食品を使ってダイエットに成功したという若い女性、化粧品を使ったら肌がツヤツヤになったという若い男性、アトピーが良くなったという男性、婦人系の悩みがすっかり楽になったという女性、などこの商品で結果を出したと自信を持っている人たちがたくさんいました。
ある勉強会の最後では、自分の売上目標をひとりひとり発表するなんてこともしていました。
自分自身が目標をコミットメントするのですから、頑張ろうとしますね。
行動力があって元気な若い人だからできるのかもしれません。
しかし私が外側から客観的に見てると異様に感じましたけど。
ネットワークビジネスの勉強会には、新しくネットワークビジネスを始めたいという人たちが何人もやってきます。
わざわざ遠くから車でやってきた若い主婦、まだ結婚したての若い夫婦、商品を使い続けて健康になったので他の人にも広げたいと言っている男性などなど。
商品を愛用しているうちにファンになり、商品を他の人に進めれば自分の収入になると知ってやる気になっていたようでした。
商品のプロモーションするだけの勉強会もあり、そもそもネットワークビジネスを知らないでやってくる人もいました。
その勉強会にやってくるのは、ダイエットしたいと考えている若い女性や胃腸の弱い男性、アトピーの男性など健康に不安を感じている人たちがやってきていました。
健康は誰でも関心のある内容ですから、真剣に話を聞いていましたね。
私にとってネットワークビジネスがすべて悪かったわけでありません。
じつはAさんが教えてくれたトレーニングの方法をずっとやり続け、健康食品も摂り続けたことで、ダイエットに成功できたのです。
ダイエットに成功しただけでなく、足腰を中心に身体全体に筋肉がついたので、歩いても腰痛が出なくなりました。
ネットワークビジネスで収入はありませんでしたが、身体にとってよかったことです。
Aさんはアイデアマンです。彼は「カフェトーク会」をやろうと言い出しました。
彼の考えの底辺には新しい人を集めることがあったのでしょうね。
この会では一つのテーマに沿って制限時間5分で自分の思ったことを順序立てて話します。
実際に私がやってみると案外難しいです。
頭の中ではわかっていても口に出して言おうとすると、話がまとまらなくてごちゃごちゃになってしまいます。
でも彼の指導があって私は順序立てて話せるようになりました。
彼の人集めプロジェクトが、実は私の会話の特訓になっていたとは今考えると可笑しいですね。
彼と毎週1回開いていた朝カフェで、私はよく旅行に行ってきたときの写真を見せて自慢していました。
彼はとてもほめ上手で私の写真がとても素晴らしいと言います。
とても良く撮れてますね、とほめられるのがうれしくて、もっと写真を撮りたい気持ちわいてきて、以前から欲しかった一眼カメラを買ってしまいました。
それ以降カメラが趣味になりました。
ほめる力はすごいですね。
ほめられておだてられて、新しい趣味が出来てしまいました。
ネットワークビジネスの親玉はどんな人なのか会ってみたいと思っていました。
なるほど大ボスになればカリスマ性があって怪しげなオーラが出ています。
もちろん悪そうな人には見えませんよ。見た目は普通の人です。
でも、会場の若い人たちはみな、この大ボスを教祖様でも見るような目つきで見ています。
みんな大ボスに握手をしてもらいたくて、大ボスの周りを取り囲んでいました。
私はちょっと気持ち悪くて近くに行きたくありません。
しかし、Aさんが私に行って握手してきたらといいます。
仕方なく行って握手しましたが、自分のエネルギーを抜かれたような気持ちになって、ちっともうれしくありませんでいた。
Aさんは大ボスをべたぼめしています。
このようにネットワークビジネスでは、トップの大ボスをカリスマ視して特別扱いしています。
この人のためなら頑張っちゃおうという気持ちにさせてしまうのですね。
いかがでしたでしょうか。
怪しいと言われているネットワークビジネスとその勧誘手口につてご紹介してきましたが、気がついたらできるだけ早く離れることが一番です。
いろいろな人が関わってきて仲間に入るように誘ってきます。
仲間に入ると、仲間が魅力があって明るくて楽しいので、ずっとこの中にいたいと思うようになります。
これがネットワークビジネス人たちの結束力が強い理由です。
さらに新しい人を入れると収入になるため、必死になって人を探しています。
ネットワークビジネスで商品購入をしてお金を使い果たしたり、人集めで苦労したりして大変な思いをするのが多いですよ。
私は比較的短い期間だったのと、私自身が新しい人を探す活動をしませんでしたので、ひどい思いをしませんでした。
反対に良い経験をさせていただき、ダイエットもうまくいくなど、後から思えば悪いこともなかったかなと思います。
あくまでも私の場合は、です。
ご注意ください。そんなにウマい話はありません。
ネットワークビジネスの人たちはたくましいです。
たくさんの人と出会うからでしょうか、人の心理を巧みに操ってきます。
自分は大丈夫と思っていましたが、とんでもありませんでいた。
私ひとりに何人もの人が関わるのです。
夢や希望などのキラキラワードをたくさん使ってきます。
素敵な仲間のことも自慢にしています。
分かっている、自分は大丈夫などと思っていても、とても太刀打ちできませんよ。
でも、ご心配なく。
入会を断っても、抜けても彼らは追いかけてきません。
抜ける人より新しく人を集めるほうが大事ですから。
また彼らの仲間になると楽しく感じるかもしれませんが、あくまでも収益でつながっているだけで、収益にならない人は彼らにとって関係ないのです。
仲間を抜けて寂しくなってしまうと心配する必要もありません。
古い関係を断ち切ることで新しい繋がりができるのです。
古いものは思い切って捨てちゃいましょう。
私はメンターとのつながりがあったのおかげで助けられました。
ネットワークビジネスを離れるキッカケもメンターのアドバイスのおかげです。
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