自分のパートナーになる人は鏡に写る自分とか双子のような人だと、以前見たテレビ番組で聞いたことがあります。
私がこの話を聞いたとき、まさかありえないだろうと思っていましたが、実際に自分に似た人を選んでいる、つまり似たもの同士がカップルになるようなのです。
人間の心理を覗いてみると、そのカラクリが分かります。
いつも同じような人を好きになってしまうのはなぜだろう、素敵な人を見るとなぜ自分では無理だと思ってしまうのだろう、と不思議に思うことはありませんか。
自分の心の中でなぜか無意識に決めてしまう心理が分かると、これまでよりも恋愛に前向きになれますよ。
今回は理想の人は鏡に写る自分?似ている人に惹かれてしまう理由をご紹介したいと思います。
私たちを無意識に動かしている心理をご覧ください。
似た者同士、お互いに似ている人が惹かれ合うことを心理学では「マッチング仮説」と言います。
アメリカの心理学者バーシャイドらの研究で、自分に似た人をパートナーに選ぶ傾向があることを見つけました。
カップルを見たとき、似た者同士が多いなあと感じたりすると思います。
趣味や見た目、服装の好みなど、お互いに似通った部分が多い人と結びつきやすいのですね。
育ってきた環境やどんな学校に行ったか、価値観、宗教観、好きな楽しみや生活の態度なども似ているとお互いに引き寄せ合います。
それは、似ているのなら話が合う似ている相手は安心できるからです。
マッチング仮説は、別名、釣り合い仮説とも言います。
それはどうしてでしょうか。
あまりにも魅力的な相手が目の前にいると、無意識に引け目を感じることがあると思います。
それは自分よりも魅力的な人は、自分を拒否するのではないかと不安になるからではないでしょうか。
しかし自分よりも魅力のない相手を選ぶなんてのは自分のプライドが許しません。
つまり相手に拒否されるのが怖くて、成功率の高そうな、自分に釣り合う人に告白するという結果になります。
心の中では「自分になんかに不釣り合い」「相手にされるわけない」との独り言をつぶやきながら・・・。
したがってマッチング仮説とは、基本的には自分に釣り合った人で妥協することです。
だから釣り合い仮説と呼ばれるわけです。
これまでの説明を見ていくと、私たちはマッチング仮説=釣り合い仮説を無意識に採用してしまうようですね。
しかし、もしマッチング仮説だけが正しいのなら、絶対自分よりも素敵な魅力的な人と一緒になれなくなってしまいます。
「それはヒドい!そんなはずはない!」
私もそう思います。
世の中を見渡してみると、意外な光景を見ることがあります。
イケメン男子が正直どうなんだろ?という女性とカップルだったり(あっ、失礼!)、イケてない男子が素敵な女性とカップルだったり、などなど。
マッチング仮説は案外あてになりませんね。
魅力的な人と一緒になれないことはありません。
世間では、見た目では釣り合わなそうな人たちがカップルになっています。
とっても不思議な現象ですね。
コレには理由があります。
見た目では釣り合わなくても、人間の中身=見た目以外の部分で釣り合わなさを補強しているのですね。
ですから、外見だけでなく中身も磨いたほうがいいと思うのです。
マッチング仮説を語る上で大切だと思うのが、自分にどんな評価をつけているかです。
自分が自己評価の高い人なのかということです。
つまり自分自身の自己評価が低くければ、どんなに見た目が魅力的だったとしても、釣り合う人のレベルが自己評価の低い人になりがちです。
十分魅力的であっても「自分はダメだ」「たいしたことない」といつも心の中で思っていると、自己評価の低い人は、自分から無意識に付き合う人のレベルを下げてしまうのです。
思い切って少し背伸びしてみたら、案外うまく行くかもしれません。
そしたら違う世界が見えてくるかもしれません。
自己評価が高い人とは、自分に自信がある人だと考えがちですが、そうではないと思います。
自分に自信のある人は、ポジティブな人でしょうか。
ポジティブだけだとちょっとイタイ人になってしまうかもしれません。
自分の長所も欠点もすべて受け入れていて、他人の評価に一喜一憂しない人、前向きに生きる人、自分のことばかりの「主張バカ」じゃなく相手を思いやる人、周りの人に与えられる人が自己評価の高い人だと思うのです。
自己評価が高くなれば、魅力的な人が目の前にいたからといって、無意識に引け目を感じなくてもよくなります。
恋愛に関係する法則として、もうひとつご紹介するのが、類似性の法則です。
私たちが初めて出会う人に対しては、お互いに相手のことが分からなくて警戒しますね。
しかしお互いの類似点を見つかると、少しずつ親近感が生まれてきて、相手との距離が縮まってきます。
このことを心理学では「類似性の法則」と言っています。
類似性の法則の特徴は次の通りです。
お互いに仲良くなろうと思ったら、相手との会話の中で、共通点を探してみます。
まず1つ共通点が見つかって、そこから広げていけばうまく行きますよ。
なんとかして相手に好かれたい、異性と上手にコミュニケーションを取るのが苦手とお悩みの人は、類似性の法則を逆に応用した「ミラーリング」を使って、相手との距離を縮めることができます。
ミラーリングとは、相手のしぐさを、まるで相手が鏡に写る自分を見るように、意識して真似する方法です。
ミラーリングをすると相手は、自分と同じ行動をする人に対して好感を持ちます。
相手の様子を観察して、同じように真似してみましょう。
ただし相手のやることすべてを真似したら、相手はバカにされたと思います。
相手は「猿真似」されたと思うかもしれません。
完璧に真似るでなく、ほどほどに真似てみてください。
相手が脚を組んだら、自分も同じことをする。
相手がカップを手に取ったら、自分もカップを取る。
笑ったら、笑い返す。
うなずいたら、同じくうなずく
相手が高めのトーンなら高めに、低いトーンなら低めにします。
相手がゆっくり話すならゆっくりと、早く話すなら早く話します。
いかがでしたでしょうか。
私たちは恋愛で、自分に似た人を選んでいる、つまり似たもの同士がカップルになりやすい傾向があります。
その理由は、お互いに似た部分が多い人と結ばれやすい「マッチング仮説」とお互いの類似点を見つけて相手との距離感が縮まる「類似性の法則」が心の中で働いていたからでした。
今回は理想の人は鏡に写る自分・似たもの同士が惹かれてしまう理由についてご紹介してきました。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
この人は今何を思っているんだろう
この人はなぜこんな行動をするんだろう
こんなとき、人の心を読み解いたり、見抜いたりするのが心理学です。
恋愛でも相手のことが分かれば、無用なケンカをすることもないし、相手を思いやる気持ちもこれまで以上に深くなります。
もっとも、全くケンカのない関係もアヤシイですよ。
相手とケンカをしたくないから、無理に相手に合わせてしまうなんてこともありますからね。
私のメンターが話す、パートナーとの関係についての話は、聞いていて面白いです。
「相手のことを完璧に理解するなんてできないし、しなくても良い。ただし相手を信頼することです。相手にしてあげたのだから、自分もしてもらいたいという関係は本当のパートナーとの関係ではありません。」
むむむ、難しい言葉です。
「やってあげたのだから、やってもらうのが当たり前」と考えることで起きる、パートナーとのトラブル。
私も同じような経験をして痛い思いをしました。
そんな経験をしたからこそ、メンターの言葉が実感として分かるのかもしれませんね。
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今日のことわざ:割れ鍋に綴じ蓋(われなべにとじぶた)
「綴じ蓋」とは壊れた部分を修理した蓋のこと。
破損した鍋にもそれ相応の蓋があるということ。
どんな人にも、それにふさわしい伴侶があることのたとえ。
また、両者が似通った者どおしであることのたとえ。
出典:デジタル大辞林(小学館)
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