私たちはチームワークで仕事を進めていきます。
個人ひとりの力でできることには限りがあり、誰かの手助けを得て全員で動かないと仕事は順調に進みません。
そんなときに必要なのが職場内のコミュニケーションです。
私たちはコミュニケーションをとりながら仕事を進めていますね。
このコミュニケーションを円滑にすすめるスキルとして有効なのが「褒め上手」です。
人を褒めることは人間関係をスムーズにするためにとても大切です。
褒め上手な人は仕事上手と言われています。
褒め上手な人は自分ひとりで仕事をするのでなく、チームワークで仕事を上手に進められるので、仕事上手なのです。
今回は褒めることの大切さや、褒め上手な人の特徴を見ていただいて、褒め上手になるコツを紹介していきます。
人を褒めるのは、とても大切なことです。
褒められると、うれしい気持ちが湧いてきて前向きになれます。
人は前向きになれば何にでもチャレンジする意欲が湧いきて、これまで無理だと思ったことでもやりこなすことができるようになります。
褒めることは相手の心にやる気の栄養を与えているのです。
褒め上手の人は、上手に人を育てる能力のある人だといえるでしょう。
さらに人を育てるだけではありません。
仕事の中で褒め上手の能力を活かせば、優秀な営業マンとして活躍でき、成績が上がって出世し、出世して人を動かすリーダーにもなれるのです。
褒め上手な人は仕事以外の部分でも上手くいきます。
恋愛上手だったり、家庭生活も円満だったり、子育てがうまくいく親だったりして、人生のあらゆることにおいて順調に物事が運んでいるのです。
日本人は一般的に褒めるのが下手といわれています。
日本人はもともと控えめで、強く自己主張しないのが美徳とされてきました。
空気を読むとか気持ちを察するという思想は日本独自のものです。
この思想の影響で、言葉にしなくても相手に気持ちが伝わる=褒めなくても伝わる、相手に褒められても謙遜して自分を自慢しない=褒められ下手になのです。
多くの日本人は褒めるのも褒められるのも苦手としています。
でも先程にも述べたとおり、褒めることは人をやる気にさせ、また自分の人生のあらゆる物事を順調に進ませることから、褒める能力を高めていくのはこれからますます必須条件になるでしょう。
特に今の日本では「褒め上手な人」は少数派ですから希少価値があります。
褒め下手な人には次の特徴があります。
褒めるのが下手な人は「上手に褒めなければならない」と思いすぎて、あれやこれやと考えすぎてしまいます。
褒める前から「こんなことを言ったら悪く思われるのではないだろうか」「こっちをほめようか、それともあっちだろうか」などと考えすぎて、褒める言葉が微妙にずれてしまったり、褒めるタイミングがずれたりするのです。
どんなに一生懸命褒めても言葉がギクシャクしてしまったら、受け取る相手が不審に感じてしまって効果はありません。
私たちは誰でも自分が他人よりも優れている、自分は特別な存在だという気持ちを持っています。
この気持ちは相手の良い点を見つけるのではなく、悪い点ばかりを探し出すのです。
相手と自分とを比較して自分が優位に立っていると思いたいからです。
でも、相手を上手に褒めようと思ったら、自分が優位に立つという考え方をやめて、相手の良い部分を素直に認めないと相手の良いところが見えてこないのです。
表面だけ褒めて心の中で相手を見下していたら、言葉以外の微妙なニュアンスで相手に本当は表面だけの褒め言葉だとバレてしまいます。
いわゆる口だけのゴマすり言葉ですね。
褒め方の分からない人は、相手のどんなところを褒めればいいのか知りません。
よくあるのが、誰かが褒めた言葉をそのまま鵜呑みにして「うんうん、そうそう」などといって言葉を濁すことです。
でも自分の心から出た言葉でありませんから相手の心には響きません。
また無理に考えて褒め言葉を言ったとしても、言葉を発する人の雰囲気で「なんだ、お世辞か」と察知されてしまいます。
相手の心に響く言葉でないので、相手に冷ややかに受け取られてしまうのです。
人は褒められると、自分が認められたと嬉しくなります。
このとき脳の中では、ドーパミンという快楽を感じる脳内ホルモンが分泌されます。
ドーパミンが分泌されることで幸せな気持ちになるのです。
幸せな気持ちになれば、喜びや安心とともに信頼関係ができあがります。
信頼関係が得られると物事がスムーズに進むようになります。
あの人は信頼できるから言うことはちゃんと聞こうという気持ちになるのです。
たとえば仕事を頼んだとき、相手は素直に聞いてやってくれます。
また物事がスムーズに進むだけでなく、相手に自信とやる気を持たせることもできます。
相手に対してもうひと踏んばり頑張って欲しいと思ったとき、良いところを褒めた上で、頑張って欲しいことを相手に告げれば「あの人の言う通りにしてみよう」と不快感を感じずに受け入れてくれるのです。
さらに相手は「自分は待されているから頑張ろう」とやる気がアップします。
褒め上手な人は、仕事の中で人の発言や行動をいつも見ています。
どんな言葉を言いどんな行動を取っているかをよく観察しているので、相手の褒めるところを逃さず見つけます。
褒め上手な人は普段からこの観察を続けているので、いろいろな人の長所を発見するのが結果として上手になります。
また人の良い面をたくさん見つけられる人は、悪口を言いません。
どんな人でも良い面をたくさん持っている、という信念があるからです。
そのため褒め上手な人は、周囲の人からさらに慕われ、信頼されるのです。
相手を褒めることは、褒め上手な人自身の心を健康にするという点でも効果があります。
相手を褒めたとき、うれしい表情やしぐさが相手から伝わります。
褒め上手な人も相手から受け取った気持ちを感じて、うれしい気持ちになるのです。
これは心理学のプラス・ストロークという考え方なのですが、私たちはお互いに言葉やしぐさなどを通して感情のやりとり(=ストローク)をしていて、相手の気持ちを前向きにするプラス・ストロークを使うと、相手を前向きにするだけでなく、自分自身にもプラス・ストロークが戻ってきて前向きな気持ちになれるのです。
相手を喜ばせたり励ましたりすると、自分自身も喜び励まされるということです。
つまり相手だけでなく自分自身も前向きになっていくのです。
褒め上手になるための心構えについて見ていきましょう。
褒めるのを恥ずかしがらないようにしましょう。
私たち日本人は褒めるのに慣れていないので、照れくさく感じてしまいがちです。
でも人をうれしい気持ちにすることは素敵なことですよね。
恥ずかしがらずに、どんどん褒めていきましょう。
相手を褒めたときの相乗効果として自分も嬉しくなりますよ。
どう褒めるのかよく分からないまま、いい加減な内容で嘘を言うと、相手に自分の考えていることがすべて伝わってしまいます。
相手は「この人は適当なことを言っている」「意味のないお世辞だ」と逆に不信感を持ってしまい、信頼関係を作ることができずに終わってしまいます。
褒め上手になるには、相手の良い点や長所を見つけたとき、飾った言葉を使わず、素直に自分の思った通りの言葉で伝えましょう。
褒めるのは会話している中で鮮度のよいうちに行ったほうが効果があります。
タイミングを考えて褒めようとすると褒めるのを忘れたり、鮮度の落ちた褒め言葉で相手の心に響かないこともあるからです。
上手に褒めよう、相手に自分をよく思ってもらいたい、と考えるとほとんどの場合失敗します。
相手に取り入るような不自然な言葉遣いになってしまうからです。
上手くやろうと考えるほど緊張します。
「〜しなければならない」という考えがあるからかもしれません。
この考えが強くなるほど緊張が強くなります。
こんなとき呼吸が浅くなっているとますます緊張しますから、呼吸を腹式呼吸にしてリラックスしてください。
相手に対してさりげなく自然な感じで褒めてみましょう。
心構えが分かったところで、今度は褒めるとき相手のどこを褒めるのかについて見ていきましょう。
褒め上手になるためには相手の次のところを褒めてみましょう。
この方法を難しく考えないでやってみてください。仕事でもそれ以外の人とのかかわり合いの中でも信頼関係を築けるようになります。
相手の外見をほめるのと同時に、相手の内面も褒めるのもを忘れないようにしましょう。
内面とは、相手の性格や考え方を褒めることです。
相手の優しさ、頑張り度、ものの見方や考え方などの内面が褒められる機会は、大人になると少なくなるからです。
人に気づかれないように一生懸命努力している人がいます。
このような人の努力を褒めてあげると「気づいてくれているんだ」と相手はうれしく思います。
他人に気づかれないように努力している面を見つけたら、ぜひ褒め言葉をかけてあげましょう。
キャリアアップのために資格試験の勉強をしている、周りの人の知らない特技を持っているなどが分かったら、絶好の褒めチャンスですよ。
時には間接的に褒める方法も使ってみましょう。
間接的に褒めるとは、相手に直接褒め言葉を伝えるのではなく、第三者に「彼(彼女)は〜でいいね」と褒め言葉を言うことです。
伝えられた第三者は、ほとんどの場合、直接本人に内容を伝えてくれます。
このとき伝えられた本人は、直接に褒め言葉を聴くより喜びが大きくなるのです。
間接的に聴くことは、お世辞からでなく本心から言ってもらえたことだと相手が思うからです。
直接相手を褒めるのが恥ずかしいときには間接的な褒め方で相手を褒めてみてください。
相手を褒めることで自信を持たせましょう。
仕事上で部下に対して、自信を持たせれば前向きになってやる気も増え、仕事の質も量も向上します。
私たちの社会はストレスが多く、毎日忙しくしている人が多いので、自信を失いやすく心の健康を崩す人が少なくありません。
褒め上手になって、働く人たちの心の健康を守りましょう。
職場の人間関係が上手くいけば行くほど、褒めた側の褒め上手な人自身の心の健康も守れることになります。
いかがでしたでしょうか。
人を褒めることは人間関係をスムーズにするためにとても大切です。
褒め上手な人は、相手をよく観察して、相手の良いところをいつも探しています。
相手を効果的に褒めることで、相手は信頼し前向きになってやる気が向上します。
いままであまり褒めたことがないと感じた方は、まず一度だけでもいいのでほめてみてはいかがですか。
考えて行動しないよりもぜひ実践してみてください。
褒めることは相手を喜ばせるだけでなく、自分自身にも大きなメリットがあります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
お恥ずかしい・・・
私は以前「超・褒め下手」でした。
今回の記事を書きながら、過去の自分のやってきたことを思い返して反省しています。
職場では仕事仲間を誰も上手に褒めることができず、ひとりでいつもがむしゃらに働いていました。
そして思っていたことが「誰も自分のことを認めてくれない」でした。
仕事の成績が良いときは自信があって周りを見下していましたが、成績が落ち込むと誰からもフォローがなくひとり苦しみました。
結局その会社は辞めましたから楽になりましたが、私の基本的な心構えが変わっていないので、どこにいっても疎外感を感じるのです。
会社以外の友だちや家族との人間関係でもうまくいきませんでした。
よくもこれまで何とか生きてこれたと思います。
この苦しさを抜け出したくて、いろいろなセミナーに出てみましたが対症療法ばかりで根本的な部分は分かりません。
しかし、私はメンター出会えたことで少しずつ変わってきました。
メンターとの個人面談では、「アクセルもブレーキもどちらも踏んでいて前に進めないのです」という内容の話をされました。
アクセルもブレーキもその時はまだ意味がよくわからなかったのですが、このままでいたら絶対に自分の人生がよくならないと思って、メンターの主催する勉強会に参加することにしました。
それから1年が過ぎて、ブレーキを外せるようになってきたみたいです。
心のなかにあるブレーキがある限り、前進できないし自分の人生を変えることができない、そして自分の人生を豊かにすることもできないということです。
今は前向きに前進あるのみと考えて生きています。
私は今51歳。あと50年!生きて、人生を豊かに変えていこうと考えています。
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