学習性無力感。ご存じでない方も多いのではないでしょうか。
学習性無力感とは、もともとは子どもが不登校になってしまう原因の1つです。
しかし、最近では大人でも学習性無力感が原因で職場を急に休んでしまうこともあるのです。
本人も何が原因で症状が出るのか分からず悩んでいます。
今回は「学習性無力感の対処法」という題で、子供と大人の症状や特徴、対処法などについていろいろとまとめてみました。
まだ学習性無力感を理解したい、対処法を知っておきたいという方にご覧いただいて、少しでもご参考にしていただけましたら幸いです。
学習性無力感とは、嫌なこと、失敗ばかりしたこと、解決しようとして頑張ってもできないことを何度も繰り返して経験しているうちに「自分は無力だ」「自分は何をやってもダメだ」「自分にはできっこない」と諦めてしまいやる気を失ってしまう症状のことをいいます。
やる気を失うだけでなく、自分自身を責めてふさぎ込んでしまうのです。
学習性無力感の症状が出ると、何をするにも億劫になり自分から辛い状況を抜けようと考えることができなくなります。
子どもが学習性無力感になると次のような症状が出ます。
大人が学習性無力感になると次のような症状が出ます。
ではなぜ、学習性無力感になってしまうのでしょうか。原因を見ていきましょう。
学習性無力感の人には親や大人、周囲の人から失敗などを責められた経験が何度もあるという特徴があります。
子どもでも大人でも、症状がおきてしまう原因には、失敗したことに対して怒られたり責められたという辛い経験があるのです。
学習性無力感になってしまってもきちんと対処すれば症状を改善できます。
大人でも子どもでも改善できます。
基本的には、小さな成功体験を重ねること、自分が良い方向に変化していることを本人に実感させ、本人が自信を取り戻せるように協力してあげることです。
症状の改善には、本人自身がよくなりたいと思えるようになるのが改善が早くなるポイントです。
そのためには周囲の人が一緒に協力してあげるのが大切です。
協力してもらえるんだと本人が安心すれば、本人自身が治したいという意欲を持つようになります。
失敗した、できなかったとき、子どもは悔しい気持ちでいっぱいになっています。
そのとき親が子どもの気持ちをそのまま受け止めて「悔しかったね」と話しましょう。
これを聞いて子どもは親が分かってくれたんだと安心します。
失敗した、できなかったと責めるのではなく、子どもの頑張りをほめましょう。
「すごいね」「よくここまでできたね」「えらいね」と話せば、子どもは「失敗しても大丈夫なんだ、努力はよいことなんだ」と思うようになります。
たくさん頑張って疲れている、なんだか様子がおかしいなと思ったら、気分転換のために遊ばせたり、十分に睡眠を取らせたり、出かけたりして、心を休ませます。
少しづつできる課題をさせて、子どもが「できた!」という経験をさせてあげましょう。
とりあえず子供の苦手は横におき、子ども自身がやる気を持って取り組めるものを一緒に見つけましょう。
勉強でも運動でも音楽でも、子どもが興味を持っていたら、伸ばしてあげられるようにサポートしてあげれば、自信がついてきて苦手なことも「やってみようかな」となるかもしれません。
子どもが失敗したとき悲しんだり責めたりしないでください。
「失敗したって大丈夫なんだよ」と話せば子どもは安心してチャレンジできるのです。
親の姿を見るたびに「怒られる」と子どもが思うようになると、不安が強くなって、普通ならできることも、できなくなってしまいます。
親がポジティブな姿勢を子供に見せれば、子どもは失敗を恐れなくなるでしょう。
思春期の子どもは、対処が難しくなります。
基本部分は小学生までの場合と同じなのですが、親だけでの対処が難しいと思う場合は、専門のカウンセラーなどに相談したほうがよいでしょう。
第三者の意見も取り入れながら改善していくように考えてみましょう。
大人でも基本は子供と同じで、小さな成功体験を重ねること、本人が良い方向に変化しているのを実感し、自信を取り戻するようにします。
さらに上司、先輩の社員、同僚といった周りの人たちが、これまでと違うやり方に変えていくべきです。
学習性無力感の人に最初から大きな仕事を与えてしまうと、どこから手を付けたらよいのか分からなくなって症状が強くなってしまいます。
できるところからやらせてみて、できたらずつ仕事の量を増やしましょう。
ある程度できるようになったら、もう少し大きな仕事を任せてみて、そこで自分なりに手順を考えてやってもらうように指導します。
学習性無力感の人は心の中で「自分はできない」と思っています。
そこで繰り返し小さな成功をさせてみて、積み重ねを続ければ、大きな達成につながるのを分かってもらいましょう。
仕事の達成度を本人が自分で記録し、記録を見返していくうちに「自分でもやればできる」と考えられるようになっていきます。
仕事の進み具合を見ながら指導していきましょう。
進みが悪いときは、相手が仕事の理解が足りないのが原因です。
仕事を頼む側の伝え方が足りなかったのです。
言葉を言い換えたり詳しく説明したりして、相手がよく分かるまで繰り返し教えましょう。
仕事がうまくいったなら、本人のモチベーションが上がるように話しかけましょう。
正当に評価されたと思えば次第に自信がついてきます。
「ほめる」れば「できる」になります。
「できて当たり前」「やって当たり前」などの否定的な発言は使わないでください。
仕事で失敗するたびに怒られては、やる気をなくすだけです。
失敗したとしても怒らないでください。失敗したのには理由があります。
なぜ間違ったのか、どの部分が失敗だっかのかを気づかせるような話し方をします。
自分の間違い、失敗した場所を自分で気がつけば、同じ失敗を繰り返さなくなるでしょう。
職場環境が、職場が失敗した人を厳しく責める環境ではありませんか。
職場内の雰囲気を明るくしていきましょう。
イライラして怒鳴り散らしても何も変化しません。
職場の雰囲気は壊れ、すことになってしまいます。
いかがでしたでしょうか。
学習性無力感の人は、初めから無力状態だったのではありません。
小さな失敗や、できなかった経験を何度も繰り返して経験してしまうと「自分は無力だ」「自分は何をやってもダメだ」「自分にはできっこない」と諦めてしまうのです。
しかし小さな成功体験を重ねて、自分が良い方向に変わっていることを実感すれば、自信が戻ってくるでしょう。
また学習性無力感は本人だけの問題でありません。
周りの人たちも一緒になって、ポジティブな気持ちを全員で持ち、前向きに進む姿勢を持ちたいですね。
今回は「学習性無力感の対処法」についてご紹介してきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
子どもの頃に失敗して、親に強く怒られた経験はありますか?
子ども自身がなぜこんなに怒られるだろうと迷ってしまう怒り方です。
私の子ども時代にはかなりありました。
そのとき子供ながら思ったのは、「自分が親の言うことを聞かなかったから悪いんだ」ということです。
「親の言う通りにしないといけない」こんな気持ちにもなりました。自分を責めていました。
その気持ちが強かったので、親の言うとおりに育ってきました。
私は親の期待に沿うように頑張り、親の顔色をうかがってご機嫌取りをしていました。
親はなんでも言うことを聞く素直でよい子どもだ、と思っていたかもしれません。
私のモノの見え方が歪んでいました。
親だけでなく他人に対しても他人の顔色を見て他人に嫌われないための行動をしてしまうようにもなります。
他人に嫌われないようにすることが正しいことだと思い込んでいました。
相手に嫌われないことが第一ですから、自分の感情、気持ちは後回しです。
実はこれは後になってから分かったことです。
この考え方が身についてしまうと、自分自身の本当の気持ちが分からなくなります。
何をしても何をやっても不安が付きまといます。
相手に嫌われたらどうしようという気持ちが強いのです。
実は私、メンターに会うまでの50年間ずっと苦しんできたのです。
メンターが主催する勉強会で学ぶようになってから、自分の心の中のモノを見るときの歪みに気づいたのです。
メンターのアドバイスを聞いて、私は1年間かけて自分の感情を取り戻すための修行をしました。
修行といっても辛い苦行ではなかったです。
自分を取り戻すために、自分のしたいことをやり切ってみることが修行でした。
修行の中で、少しずつ自分の感情、自分が本当に思っていることが分かるようになってきました。
これまでは他人の引いたレールの上を歩くことしかできていませんでしたが、自分で考えることができるようになりました。
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