初対面の人とは緊張ガチガチで話せない。
会議で指名されると頭が真っ白で話せない。
憧れの人とせっかく二人きりだったのにまともに話ができなかった。
自分に度胸があればと悔やんだ経験はありませんか。
他の人を見ると、度胸があって羨ましいと思うこともありますよね。
しかし度胸は生まれつき備わっているわけではありません。
ではなぜできる人は、度胸がついているのでしょうか。
それは度胸の引き出し方や、育て方を知っているからなのです。
今回は、度胸をつける方法をご紹介したいと思います。
日常生活の中で勇気や度胸を出さなければならない場面が何度もあります。
こんなとき落ち着いて行動するには、自分なりの度胸を出すマニュアルをどれだけ多く持っていることが肝心です。
マニュアルとは「このときには、こうすればいい」という自分の経験から学んだ方法です。
経験がないと方法が分からないので、不安になったり慌てたりします。
さまざまな経験をして、自分の中にマニュアルをたくさん作っておけば、いざという時に、いつもどおりの精神状態で行動することができます。
度胸を出すマニュアル作りのためには、どうしたらいいのかですが、いまの自分にとって意味が無さそうでも、とりあえず首を突っ込んでやってみることです。
その経験の積み重ねが、ある日どこかで役に立ちます。
例えば一流ホテルやレストラン、高級料亭などを利用する経験も役に立ちます。
普段行くことのない、日常を離れた独特の雰囲気を味わってみるのです。
こういう場所に初めて入る時にはとても緊張しますね。
でもこの雰囲気を味わった経験がのちに大きな自信になります。
いざという時に余裕を持てますし、度胸となります。
もうひとつ度胸をつける方法があります。
心理学では「自信移転の法則」と呼んでいる方法です。
まず全く関係のない趣味からでもいいので、何かひとつ得意なことをやってみて自信をつけます。
その自信を踏み台にして、はずみをつけて次の体験に踏み出します。
はずみがつくので、できそうな気持ちになって、実際に上手く行きやすくなります。
こうして新しい分野に挑戦して上手くいったら、上手くいったことが新しい得意分野を作るきっかけになり、自信も度胸もついてきます。
私の水泳にまつわる話です。
学校の頃、体育の時間は大嫌いでした。
特に夏の体育の時間には必ず水泳の授業がありますね。
私は泳げないので、何とかサボろうと逃げてばかりいました。
結局水泳は30歳になるまで全くのカナヅチで、泳げないままです。
しかし転機が来ました。
結婚して、子供ができました。
子供が幼稚園に入ったら、スイミングスクールに通うことになりました。
子供がスイミングスクールに通うだけでなく、私も通う羽目になりました。
妻が「パパ、最近太ってきたでしょ?スイミングスクール申し込んでおいたよ」
と会員証と水泳用具一式を私に手渡したのです。
週2回、夜8時からの大人のコースでした。
先生に私の泳力をチェックしてもらいます。
「はい!初めから基礎をきちんと習いましょうね」
水泳の入門「初級」からスタートです。
子供がスイミングスクールで習う内容と全く一緒です。
ビート板という平らな浮き板を両手に持って、両手を前に伸ばして足をバタバタとけります。
最初は5メートル。
次は10メートル。
その次はプールの真ん中の12.5メートル。
最後に25メートル。
同時に息つぎも顔を上にあげて行います。
これが結構難しい。
バタ足ができたら、ビート板を両手に持って片手だけを回すクロールを練習です。
左右別々に行って、それができたならビート板を持ちながら、両手を交互に回すクロールの練習になります。
両手回しはそれほど大変ではありませんが、息つぎはとても難しい。
魚じゃないので簡単にできません。慣れるまで大変でした。
息つぎのコツは、吸うことよりも吐くことに意識を持つことです。
先生の教え通りにしているうちに呼吸ができるようになりました。
ここまでできたら、ビート板は卒業です。
すぐにできたかのように思うでしょうが、実は1ヶ月かかっています。
スクールでは毎回同じことを繰り返し繰り返し、何度も何度も練習します。
ビート板での練習で1ヶ月が終わったら、ビート板なしでのクロール練習です。
まず両手を前に伸ばしてのバタ足の練習をします。
それができるようになったら、片手回しのクロールの練習です。
さらに片手回しができたら、両手を交互に回しながらのクロールです。
ビート板がないと身体がどんどん沈みます。
しっかりバタ足をしないと前に進みません。
最初は5メートル。
次に10メートル。
次はプールの真ん中の12.5メートル。
最後は25メートルです。
何とか片手回しのクロールはできるようになりました。
しかし両手を交互に回すクロールが上手くできません。
25メートル全部を両手回しのクロールで泳げないのです。
何度やっても、息つぎができなくて呼吸が苦しくなるので、途中で立ち止まってしまいます。
泳ぐ姿勢はメチャクチャです。
息を吸おうとして上体が思いっきり上がっているのが分かります。
自分で分かっていても、苦しくて息をしたいのでどうしようもありません。
スクールでは毎回、そんなことをずっと繰り返していました。
普通なら、できない自分に嫌気がさしてやめてしまうのですが、水泳はそうはなりませんでした。
毎回何かの進歩があるので楽しいのです。
1ヶ月以上過ぎた時に先生が言いました。
「今日はクロールで25メートルを最後まで、頑張って泳いでみましょう。」
まだ最後まで泳げる自信はありませんが、なんとなくできそうな気がしました。
スタートしました。
とにかく無我夢中です。
両手を左右に回し、
息つぎに上体をかっこ悪く上げながら、
足をバタバタさせて泳ぎました。
25メートル!
途中一回も立ち止まらずに25メートル泳ぎ切りました。
先生から「やりましたね、おめでとうございます!」
自分自身もできた喜びで、本当に最高に嬉しい瞬間でした。
水泳の楽しさが、その時初めてわかったような気がします。
水泳が楽しくなった私はそれからも、スイミングスクールに通いました。
初級から中級へ、中級から上級へとクラスが上がっていきます。
平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ、次々に泳法をマスターして泳げる距離も長くなっていきました。
私が水泳ができるようになったのは、毎回休まずに楽しく練習を続けてこれたからだと思います。
先生から教えてもらった泳ぐ技術や理論も同時に頭にインプットして、身体で実感し、練習を続けていったからだと思います。
最初のステージ、クロールで25メートルを泳ぎ切ったことが、私に自信がついた大きなポイントでした。
私の例を細かく書きました。
この例でも、自信がついていく段階がいくつかありましたね。
少しずつ細かくステップを踏んでいけばできるようになるということですね。
25メートルをクロールで泳げたことが自信になって、他の泳法までできるようになりました。
自信移転の法則のちょうどいい実例かなと思います。
あくまでも趣味のなかでの話ですが、泳げるようになったことが、私の自信につながったと思います。
いかがでしたでしょうか。
自分には度胸がないと思っている方は、たくさん経験をしてみるべきだと思います。
いまの自分に関係のないようなことでも、案外意味があって、それが役立つことが出てきます。
また心理学の方法「自信移転の法則」を使って、他の分野に挑戦する方法もあります。
今回は度胸をつけるための方法をご紹介してきました。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
自分には度胸がないと不安に思っていらしゃる方へ。
これまで成功体験がないと悩んでいませんか。
でもそれって本当でしょうか。
実は他の人には真似できない体験をしているはずなのですが。
人間は、成功体験より失敗体験の方を強く記憶してしまう生き物なのです。
そして成功体験はどんどん忘れてしまいます。
この性質があるために、度胸が出ないのかもしれません。
ずっと昔にさかのぼって、これまで行きてきた中で上手くいったことを思い出してみると、何かしら成功体験をしているはずです。
その成功体験を書き出してみると、案外自分はできると思えるようになりますよ。
自分から自信をなくさないように、成功体験を紙に書いて、いつも手元に置いて見てみましょう。
みなさんもよかったら是非どうぞ!
新しくチャレンジするとき、あの時できたんだから大丈夫だ、とはずみがついて前進できますよ。
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