私たちが大嫌いな感情とは何でしょう?
それは怒りの感情ではないでしょうか。
相手の心ない言葉や行動にムカついてしまう。
・・・嫌味たっぷりの皮肉、バカにしたような態度。
相手が期待した通りに動かなくてイライラしてしまう。
・・・いつ頼んでも仕事が遅い、いつも間違ってばかりいる。
こんなとき怒りをバーンと出してしまいがちですね・・・
怒りを出した瞬間、確かに本人は気持ちがいいのです。
しかし怒りをぶつけられた方は、どうでしょうか。
野球でいうと頭にデットボールをぶつけられたのとおなじ状態です。
当てられたら強烈に痛いですね。
身体の痛みは時間が経つと消えますが、心にできた痛みはなかなか消えません。
心の傷は癒やされずに残って、別の形であなたを傷つけてくるでしょう。
つまり怒りが怒りを呼んでしまうのですね。
怒りを不用意に出すと次の怒りを生んでしまうんです。
怖いですね・・・
ですから、まずあなたから怒りを抑える努力をしてほしいと思うのです。
怒りは絶対に抑えられないと思いますか?
いえ怒りはコントロールできるのです。
今回は心理学の考えから考え出された2つの方法をご紹介します
怒りを抑える方法の第一番目としてご紹介するのが、ストップ法です。
ストップ法は、怒りが出てすぐのとき、ここで怒ったらマズイという場合に、即効性があります。
自分で怒りを抑える行動を決めておいて、怒りが出たら直ちにその行動の発動です。
人間関係の中でトラブルを起こしやすい怒りや攻撃という感情を途切れさせ、冷静になるのですね。
ストップ法は次の順番で行います。
イライラムカムカしてきた、相手に怒りをぶつけたくなってきた感情を認識しました。
このとき自分で怒りの感情が分かっている状態です。
この認識がないと怒りを抑えられません。
いくつかの方法があります。
簡単な方法ですが効果がありますよ。
イライラした感情が瞬時に止まって、心が落ち着きます。
イライラ怒りの感情に気づいたら、自分自身で「ストップ!」と叫びます。
あるいは、家族や友だちなどの身近な人から「ストップ!」と声をかけてもらいます。
<注意>まわりに人がいるときは声を出しにくいですから、やらないほうがいいでしょう。
イライラ怒りの感情に気づいたら、テーブルをトントンと叩きます。
ムカついてガンガン叩かないでください。
<注意>まわりに人がいるときは怒りの感情を伝染させるので向いていません。
イライラ怒りの感情に気づいたら、その場を離れてさーっとトイレに行きます。
場所を変えられること、周囲に人がいないことで、冷静になれます。
ついでに自分の顔を鏡で見ると「ああ、自分は怒ってるな」と気が付いて怒りが収まります。
イライラ怒りの感情に気づいたら、水をゴクゴクと飲みます。
水を口に含む、水を飲み込む、喉を水が通る、お腹の中に入るという一連の流れで、怒りが鎮まってきます。
名刺大のカードに「ストップ」と書いていつもポケットに入れて持ち歩きます。
イライラ怒りの感情に気づいたら、そのカードを取り出して、カードを3秒間見続けます。
もしまわりに誰もいないのなら「ストップ!」と声に出します。
自分の手首にいつも輪ゴムをはめておきます。
イライラ怒りの感情に気づいたら、その輪ゴムを引っ張って「パッチン」をします。
輪ゴムの刺激がきっかけになって、気分が変わります。
怒りを抑えただけでは、まだ本当に怒りは収まっていません。
そこで、楽しくなることを考えて「怒り」を「楽しい」や「うれしい」の感情に置き換えてしまいます。
趣味のこと、恋人のこと、楽しかった思い出、これから予定している行事などを考えます。
ストップ法の説明は以上の通りです。
ストップ法は怒りを瞬間的に抑える方法ですが、怒りの種類によってはこの方法を使っても怒りが収まらないかもしれません。
怒りの感情のサイズが大きいときです。
その場合は、怒り自体を頭で考えて論理的に解決する方法があります。
それが「自己説得法」です。
自己説得法とは、自分の中にもう一人の理性的な自分を置く設定で、その理性の自分がイライラ怒っている自分と対話をしながら、怒りを抑える方法です。
自己説得法は次の順番で行います。
理性の自分の質問に、イライラ怒っている自分が答えます。
理性の自分に、イライラ怒っている自分が理由を答えます。
→怒りの理由がもっともでないときは、(4)に進む。
→怒りの理由がもっともなときは、(5)に進む。
理性の自分に従って、イライラ怒りの自分が怒るのを止めます。
怒っている自分は、怒り以外でどのような手を打てば怒りが収まるかを考えます。
→怒りの解消方法を思いつかないときは、(6)に進む。
→怒りの解消方法を思いついたときは、(7)に進む。
理性の自分に説得されて、イライラ怒りの自分は怒りを捨てます。
怒りの解消法の中で思いついた方法を実行したときにどんな効果があるかを考える
実行しても怒りが消えなかったり、実行したら自分の評価が下がったり、まわりに迷惑をかけるようなら、実行しない。
→怒りが静まり冷静になったら(8)で終了。
→怒りがまだ残っていたら考えを巡らせているうちに怒りが消えていることが多い
実行してみて、怒りが消えたら成功、怒りが消えていなければ、他の方法を考えてみて、怒りりが解消するように目指す。
自己説得法の中で設定する、理性の自分は「仙人」のようなイメージだと思ってください。
当初、理性の自分をイメージするのが難しいかもしれません。
何度か練習すれば分かってきますよ。
でも、この練習のために怒ってばかりいられませんよね。
この人いつも怒ってばかりだから、と周囲から人が離れていってしまいます。
そこで自己説得法を別な目的で使うことで練習してみます。
普段から理性の自分をイメージする練習です。
自己説得法を「自分が不安を感じたとき」に使います。
怒りのときと同じように、理性の自分を登場させます。
理性の仙人が、怒りのときと同じように「不安」な自分に質問します。
先程の「怒り」を「不安」に置き換えます。
不安の感情も怒りの感情と同じく私たちの感情の中で厄介です。
不安を解消するときにも「自己説得法」を役に立ててみてください。
いかがでしたでしょうか。
怒りが起きるときとは、自分が不意打ちされたときや、自分の期待通りに相手が動かないときです。
この怒りをそのまま吐き出してしまうと、それがやがて自分にはね返ってきます。
ですから、怒りは上手に自分の中で処理してほしいのです。
カーッとなって怒るとスッキリするのは自分だけで、怒られた相手はかなり気分が悪くなります。
怒ったその時は自分だけスッキリしますが、怒られた相手のことを忘れないでください。その後が怖いですよ。
イライラ怒りがでたら、2つの方法のうちどちらかをすぐに実行です!
今回はイライラ怒りを心理学で抑える方法をご紹介してきました。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
このコーナーの題名が「心の波を穏やかに」ですね。
実は今回のテーマにぴったりです。
「怒り」のことを考えるとき、いつも私の両親のことを思い出します。
まず、父親。
父親は普段は怒りませんが、その分、怒り出すとバーンといっぺんに怒りが出てきます。
さらに怒ったあとも、いつまでもネチネチと怒っているという性質があります。
なので、どの時点で怒るか分からないので不安だと、子供の頃から思っていました。
次に、母親。
母親は怒りが急激に出る人です。
でも怒ってしまうとケロッとして後はスッキリしている。
ただし、母親の一言はキツイです。
心臓をぐさりと一刺しされるので、言われた方は立ち直れません。
この母親に怒られるのもいやで、子供の頃できるだけいい子になろうと考えていたと思います。
まったく50歳も過ぎたいい年のオヤジが何を言うのかと思われるでしょうが、いまだに心の底では、両親に対する怖れが強いのですね。
現在は両親と別に生活をしていて、ほとんど交流がないので両親に対する恐れは少なくなりましたが、やっぱり会うとなると気が引けます。
ここでちょっと立ち止まって、私の両親の子供の頃を想像しました。
両親から子供時代の話を聞いたことがあるからです。
想像してみたら分かったことがありました。
実は父親も母親も、同じような環境で育ってきたんですね。
父親は、母子家庭でネチネチと怒る母親に怒られていました。
父親の足のももを思いっきりつねる人だったようです
父親はそんなとき決して泣かなかったそうです。
母親は、ガミガミ怒鳴る父親に怒られた。
朝から晩まで気に気に入らないといつも怒鳴っていた人だったようです。
母親はそんな家が嫌でいつも飛び出したいと思っていた。
つまり怒りが代々連鎖しているんですね。
両親がちょっと可哀想な気がしてきました。
怒りが起こったときに、このことを思い出せれば、ちょっと怒りが鎮まるかもしれませんね。
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